大会報道

2009横浜大会2日目:4月29日

2009.04.29

<世界卓球選手権大会>

 大会2日目の4月29日は日本勢が続々登場。男子シングルスでは注目の丹羽が快進撃を見せ、決勝トーナメントに出場を決めた。男子ダブルスでも2組が予選を通過。混合ダブルスは7組中6組が1回戦突破という好スタートを切った。


丹羽、決勝トーナメント出場! 〜格上選手を次々に撃破〜

丹羽は勝負所で得意のカウンターが決まった

 予選グループリーグを2戦全勝で通過した丹羽は、予選トーナメントの1回戦でスラティンシェク(スロベニア)と対戦。1ゲーム目、序盤のリードを挽回し1−0とすると、2ゲーム目も先行される展開からジュースに。10-10で激しいフォアドライブの引き合いをものにすると、相手のサービスミスで2−0。3ゲーム目は丹羽の8-0と一方的な流れになるが、開き直ったスラティンシェクの攻撃と丹羽のミスが重なり10-8まで迫られるが11-8と第3ゲームも丹羽。第4ゲームは度重なるジュースで4度のマッチポイントを逃すが16-14とし、最後はきっちりとストレートで勝つ強さを見せた。

吉田監督のコメント
「相手は結構強いが、かなり緊張してたし、勝負強さがちょっとなかった。終盤リードされてたけど、1ゲームも押しきられなかった。フォアを攻められたらストレートにカウンターでもっていく作戦が功を奏した。相手は全然予測してなかったから全部抜けた。あとはサービスのときに、相手のフォアでレシーブさせればかなりチャンスが来る。技術的なことはそれくらい。今日生き残れば大したもんですよ」


フォアの強打も炸裂

丹羽の速さに屈したシモンチク

 続く2回戦では決勝トーナメントへの切符をかけてシモンチク(チェコ)と対戦。サービスに両ハンドの速攻が決まり1−0とすると、2ゲーム目は序盤で許したリードを挽回し11-9と逆転。第3ゲームは7-7と競る展開から4連続ポイントで3−0とし決勝トーナメント進出に王手。しかし、第4ゲームでリードを許すと押し切られて8-11。1ゲームを返される。ここで丹羽の集中力が途切れたか、5ゲーム目は2-8と大きくリードされる苦しい展開。ここから怒涛の反撃で9-10と迫るとシモンチクはたまらずタイムアウト。10-11でチェコのコーチが退場するハプニング。丹羽はいい流れを途切れさせることなく13-11とし、見事に決勝トーナメント進出を決めた。

吉田監督のコメント
「孝希には今日生き残って明日からの試合に捨て身で頑張れという意気込みでやらせました。今日は絶対生き残る、と。あとは技術の細かいことでは、結構サービスが効いてるんだよね。だから、サービスの種類、下にするか横にするか、その横も左か右かナックルで行くのか、それとコース。今の試合で骨を折ったのはレシーブで点を取られちゃう。レシーブがちょっと受け身すぎた。反省すればね。あれをもう少しレシーブを小さく止めるか、深くガーンと持っていくとか、そういう技が欲しかったね。相手が3球目を軽く打てないように。
 ランクの上のやつに勝つのは生き甲斐なんだから自信を持って行け、それで一つ一つランクの階段を上るってことは、本人に言いましたけど。今回は力通りのことをやったと思いますね」

丹羽選手のコメント
「本戦出場はひとつの目標としてやっていたので、通過はうれしい。昨日の試合に勝ったことが自信につながった。本戦の組み合わせはすべてシード選手なのでとにかく向かっていき、勝てればいいと思います」

男子ダブルス2組が決勝進出

上田のテクニックと賢二のパワーが勝利を呼び寄せた

 男子ダブルス予選トーナメント2回戦。松平賢・上田がアレグザンダー・ウー(ニュージーランド)と対戦。二人にとって初となるの世界卓球の舞台で最初の試合ということもあり、ときおり固くなる場面も見られたが、上田の巧みな台上に松平賢二の強烈な両ハンドドライブで11-4、11-9、11-3と圧倒し、ストレート勝ちを収めた。
 決勝トーナメント進出をかけた続く3回戦ではドマニク・セイディウ(コソボ)と対戦。11-7、11-4、11-3と圧倒的な実力差を見せつけて本戦進出を決めた。
 明日の1回戦では世界ランキングでは格上のバウム・フェイヤーコナート(ドイツ)と対戦。

佐藤コーチのコメント
「1試合目も悪くはなかったが、まだ堅さがあった。2人は右右なので上田の台上と賢二のフットワークを生かしたドライブを生かすためにもっと動いてパートナーのスペースをつくるという話を試合前にしました。レシーブの体の入り方や戻りもいい感じになってきたのでスムーズにプレーできていたと思います。これからどんどん強い相手になっていくので、返ってくるボールも厳しくなってくる。明日以降さらにいい試合ができるようにしていきたい」


健太と孝希、2人の両ハンドに死角なし

 松平健・丹羽がドゥビーナ・ワン(アメリカ)と対戦。ともに天才と称される二人のペアは丹羽がチャンスを作り、健太が決めるパターンを得点源に、11-5、11-3、11-4のストレートで危なげなく勝ち上がった。
 続く3回戦もムヒカ・ピノ(フィリピン)を相手に11-5、11-8、11-3で完勝。予選2試合をストレート勝ちで決勝進出を決めた。
 大会3日目の本戦1回戦では、第1シードの陳杞・王皓(中国)と対戦。2人の天才少年が世界選手権男子ダブルスタイトルホルダー同士の中国ペアを相手にどこまで食い込めるのかが楽しみだ。


混合ダブルスに日本勢が続々登場 〜各ペアが順当な勝ち上がり〜

田勢ペアは息の合ったプレーでベラルーシペアを撃破

  日本代表から先陣を切ったのが、全日本2年連続優勝の田勢邦・田勢美ペア。ネフベドビッチ・Ve.パブロビッチ(ベラルーシ)というヨーロッパのベテランペアを相手に、徐々に調子を上げ4−1で勝利。大会初日の4月28日が2度目の結婚記念日だったという田勢夫妻が見事2回戦に駒を進めた。2回戦ではボボチカ・ステファノバ(イタリア)と対戦。

田勢ペアのコメント
田勢美貴江「お互い励まし合いながら試合を進めていったので、いい形で勝つことができてよかったです。お互いに声を出して、決めるときは決めようという話をしました。メダルを目指しているので引き締めてかんばって行きたいですね」

田勢邦史「大きい試合は1ゲーム目が大事だということは分かっていたので、世界卓球でもいいスタートが切れたと思いました。お互いにカバーしあって考えすぎないでプレーできました。喜びよりもほっとした気持ちが大きいですね」


岸川・石川、ダブルス王者二人がマカオペアを寄せ付けず

 格下の梁健華・張静宜(マカオ)と対戦した岸川・石川の全日本ダブルス優勝者同士のペアは11-5、11-7、11-4、11-6とストレートで危なげなく勝利。ペアを組んでの練習がわずか5時間とは思えないコンビネーションの良さを感じさせた。2回戦で金延勲・李恩姫(韓国)と対戦。


惜しくも金星を逃した丹羽・森薗

 1回戦から第3シードのガオ・ニン/馮天薇(シンガポール)という強敵との対戦となった丹羽・森薗は、臆することなく果敢に攻め互角以上の戦いを見せる。好調の丹羽に加え、森薗も攻守に冴えを見せ10-12、11-9、13-15、11-5、11-8、10-12と激しいゲームの取り合いになるが、最後は経験の差が出て11-1と引き離され、惜しくも2回戦進出はならなかった。一度はマッチポイントを握り、落とした4ゲームのうち3ゲームがジュースというのも悔やまれるがその内容は大健闘だったといえるだろう。


水谷・平野の全日本単複王者が貫録勝ち

 全日本単複王者ペアの水谷・平野ペアが1回戦に登場。ガブラス・バチェノフスカ(チェコ)を相手に11-9、11-9とスコアは競るものの順当に2−0とするが、水谷のドライブが1球止められるとなかなかポイントに結び付かない。2−0から2−2に追いつかれるも、動いて厳しいコースを突いて攻め切った日本ペアが4−2と押し切り、2回戦進出を決めた。次の対戦はドリンコール・パーカー(イングランド)。


混合ダブルスでも松平の両ハンドが光った

 松平健・福原はブルギス・ボグダサロワ(ラトビア)と対戦。福原がつないで松平が両ハンドドライブで決めるという得点パターンで11-6、11-5、11-2、11-2と圧勝。2回戦の対戦相手は江宏傑・鄭怡静(台湾)。


松平賢・若宮の全日学王者ペアが2回戦進出

 松平賢・若宮の全日学王者ペアはバイヌラ・リンドマエ(エストニア)と対戦。序盤11-2、11-2と大きく引き離し圧勝かと思われたが、気負いからか賢二のミスが増えると第3ゲーム、第5ゲームを取られ、3−2に。しかし、最後は11-1と実力差を見せつけ順調に1回戦を突破した。2回戦の相手はヤカブ・トート(ハンガリー)。

 上田・福岡はアブラモフ・サポルタ(イスラエル)の棄権により不戦勝で2回戦に駒を進めた。パリ大会では1回戦で全滅だった日本の混合ダブルスだったが、今大会では7ペア中6ペアが1回戦を突破。好調の日本がメダルを狙える種目になるかもしれない。


今日も観客席は応援団の青で埋め尽くされた


 なお、本大会の模様は 6月号(5/20発売予定)に掲載予定。

会場に設営されたITTFミュージアム
卓球の発祥と歴史、世界選手権の歴史などが展示されている