大会報道

2009横浜大会4日目:5月1日

2009.05.02

<世界卓球選手権大会>

 大会4日目の5月1日。いよいよ上位勝ち残りをかけての戦いも白熱してきた。混合ダブルスは2・3回戦と準々決勝、男女ダブルスは2回戦、男女シングルスは3回戦が行われた。


女子ダブルス 平野・福原が3回戦へ 〜男子は期待の岸川・水谷も順当勝ち〜

日本女子のエースペアが息のあったプレー

 前日にシングルスでともに苦杯をなめた日本女子のエースペア。福原は松平健太との混合ダブルスでも敗退を決めて後がない。この女子ダブルスは2人にとって何としても負けられない種目となった。
 2回戦でフー・ヘ(トルコ)と対戦した平野・福原は2−0と先行する形から、2人のボールに慣れたトルコペアにに追いつかれる苦しい展開。しかし、攻撃の姿勢を失わずに5、6ゲーム目をコースを突いた落ち着いたプレーで連取し、3回戦進出を決めた。次の3回戦では福原がシングルスで敗れたシャールと世界ランキング28位のウー・ジャデュオ(ドイツ)ペアとの対戦。是非とも借りを返してほしい。

平野早矢香のコメント
「出足は流れがあり、勢いがあった。途中で慣れられたが、コース取りなどを話し合いながら、最後は二人ともやることをはっきりさせることができた。昨日のシングルスの負けは悔しかったけど、2人とも悔しい思いをしていて、それは自分だけじゃない。パートナーも同じという思いでしっかりプレーしました」

福原愛のコメント
「2−0から2−2に追いつかれたが、2人で考えながらできました。偶然にも昨日のシングルスで取ったゲームと取られたゲームが平野さんと同じで、こんなところでもつながってるんだなぁと感じました。シングルスの分までダブルスも頑張ります」


左ペンのヘに右シェークのフー

攻めの姿勢を崩さずに勝利

オールラウンドに切れのあるプレーを見せる2人が3回戦へ進出

 メダル有力候補の一角岸川・水谷が2回戦で金延勲・李鎮権(韓国)と対戦。
第1ゲーム、台上でも中陣での引き合いも高い技術を持った韓国の若手ペアに10-5とリードところから見事に逆転し13-11。前陣でのカウンタープレーも台から下がっての引き合いやロビングなどもオールラウンドにこなす日本のペアの生き生きとしたプレーに横浜アリーナの観客も息をのむ。
 しかし、下がりすぎて積極性を欠いた日本ペアが2ゲーム目を5-11で落とすと、3ゲーム目以降は台上からの積極的な攻撃を軸に立て直す。緩急を織り交ぜた攻守で勝負となるポイントを逃さない試合巧者ぶりを見せ4−1で3回戦進出を決めた。次の対戦相手はモンテイロ・ツボイ(ブラジル)。


ラウンドが進むごとに息のあったプレーを見せる賢二と上田

 1回戦でバウム・フェイヤーコナート(ドイツ)をゲームオールの激戦の末破り勢いに乗る松平賢二・上田組。2回戦の相手は強豪、荘智淵・呉志棋(台湾)なとった。
 試合はパワフルなドライブの応酬となったが、格上相手にひるむことなく先手を取って攻撃を仕掛ける日本ペアが流れをつかんだ。日本ペアはフットワークと両ハンドドライブレベルの高さで台湾ペアを圧倒。台上プレーでも光る技を見せた日本ペアが終始リードする展開で、第4ゲームをジュースで落とすものの、危なげない内容で4−1とし、見事に2回戦を突破した。
 3回戦の相手は呉尚垠・柳承敏(韓国)の強豪ペアだ。


藤井・石川は一度つかんだ流れを取り戻せなかった

藤沼・樋浦はスロバキアペアを打ち抜けず

 また女子ダブルス2回戦で帖雅娜・姜華君(香港)という強豪ペアに挑戦した藤井・石川は2ゲーム先行から第3、4ゲームをジュースで落とすと、香港ペアに傾いた流れを戻すことができずに2−4と惜敗。3回戦進出はならなかった。
 藤沼・樋浦はバラゾバ・オドロバ(スロバキア)に2−4で惜敗。前陣のプレーで先手を取れないと、大きなラリーで動かされる日本ペアに厳しい展開になった。粘り強く攻めた日本ペアだが、スロバキアペアの堅い守りを打ち抜けなかった。


男子シングルス3回戦 水谷、吉田、健太がベスト16入り

すさまじいフットワークを見せた吉田

 日本選手の男子シングルスは第3コート(テレビコート)で順次行われた。
 先陣を切ったのがルベッソン、モンテイロを撃破し勢いに乗る吉田。この試合でもコートを縦横無尽に駆け巡るすさまじいフットワークと一発の破壊力があるパワフルなフォアハンドドライブでトキッチ(スロベニア)を圧倒。攻められても下がってしのぎ、後陣から強烈なフォアハンドドライブを見舞うなど多彩なプレーも披露した。初めてのベスト16入りだがまだまだ上を狙える。

吉田海偉のコメント
「最高ですね。気持ちいですね。3−0と2−1では全然違うので3ゲーム目を取りたかった。ドローを見たときは一回も勝ったことのない柳承敏と当たるのかと思っていたが、トキッチはやりやすかった。ヨーロッパの選手はやりやすいので自信はありました。4回戦で当たる金延勲はまだ若い時に一度やって勝ったことがあります。今日はやっと3コート(テレビコート)に入れて気合いも入って気持ちよかったです(笑)」


水谷はパーソンをしのぐオールラウンドプレー

元世界王者も冷静に攻略した水谷

パーソンは痛恨のミスにこの表情

 男子シングルス元世界王者パーソン(スウェーデン)に挑んだ水谷。両者の固いブロックでラリーの続く展開に。リスクを冒して強打で攻めるパーソンに対して水谷は無理せずにパーソンのミドルに緩急をつけたボールを集めチャンスメイク。元世界王者を相手に試合巧者ぶりを発揮し13-11、11-4、12-10、11-9のストレート勝ち。2度のジュースをものにする勝負強さも見せて、見事に自己ベストとなるベスト16入りを果たした。
 4回戦の対戦相手は世界ランキング7位の陳杞(中国)。苦手だったサウスポー対策も万全だと試合後の記者会見で語った。


健太のカウンターがガルドシュを襲った

ガルドシュは堅いブロックを見せたが

ベスト16入りを決めて喜びの握手

 吉田、水谷4回戦進出の波に乗りたい健太がガルドシュ(オーストリア)と対戦。
  立ち上がり堅さが見られた松平だがしゃがみこみサービスを効果的に使って、バック対バックのラリーから両ハンドのカウンタードライブで得点を重ねる。第2ゲームは自分から攻めのライジングドライブを多用し序盤からリード。焦るガルドシュのミスを増え、フォアクロスへのカウンターで11-6と圧倒。第3ゲームを落とすも、効果的なしゃがみこみサービスと技術・戦術の多様さで勝る松平が4−1とし、2回戦の呉尚垠戦に続き金星を挙げた。4回戦の対戦相手は北京五輪王者の馬琳(中国)。


女子シングルス3回戦 石川が福岡との同士打ちを制する 〜田勢、藤沼は完敗〜

石川は冷静に福岡を攻略

福岡は決定力を欠いた

 女子シングルスの3回戦で自国開催で福岡 vs 石川という日本選手同士の対決になってしまった女子シングルス。どちらが勝っても日本選手のベスト16入りが決定する。今回の世界卓球のために行われた選考会では3−1で石川が福岡を破っている。しかし何が起こるのか分からないのがこの世界卓球の舞台だ。
 序盤はお互いに積極的に攻めながら自分の得点パターンでポイントを取り合い、ゲームカウントは1−1。次の3ゲーム目はジュースで先行しながらもなかなかゲームをものにできない石川が14-13でタイムアウト。落ちついてこのセットを取って2−1。余裕の出た石川は福岡バックブロックを無理して攻めずにツッツいて福岡のミスを誘う。ラリー力で勝る石川がリードする有利な展開で第4ゲーム、第5ゲームを連取し同士打ち対決を制した。4回戦ではユー・メンユー(シンガポール)と対戦。

 同じく女子シングルスの3回戦。中国の若手ホープの劉詩文に挑戦した田勢は劉のスピードと厳しいコース取りについていけずラリーになってもブロックするのが精いっぱいで、なかなか自分からは得点できない厳しい展開。結局実力差を見せつけられる形で、11-2、11-3、11-3、11-4のストレートで完敗した。

 また、朴美英(韓国)と対戦した藤沼は朴の粘り強いカットにてこずり、辛抱強くつないで一本取ってもツッツキや強打ミスが出て常にリードされる展開。朴は多少の強打はすべて拾ううえに中陣からの攻撃も強烈だ。結局藤沼は自分の卓球をさせてもらえずに11-3、11-3、11-8、11-5で完敗。女子シングルスで残る日本選手は石川佳純だけとなった。


田勢はなすすべなし

劉詩文が田勢を圧倒
藤沼は朴のカットを攻略できず


混合ダブルス 準々決勝で水谷・平野が敗退 〜日本の全ペアが姿を消す〜

最後まで歯車がかみ合わなかった水谷・平野

 混合ダブルスの3回戦でも日本勢同士の同士打ち。水谷・平野 vs 岸川・石川という贅沢な対戦。お互いに一歩も譲らないラリー戦を中陣からも攻撃力のあるドライブを放つ水谷ペアが一歩リードし、準々決勝進出を決めた。

 中国ペアのいないラッキーブロックに入った水谷・平野は準々決勝でピスチェイ・オドロバ(スロバキア)と対戦。シングルスでパーソンを倒し勢いに乗りたい水谷と、オドロバにシングルスの借りを返したい平野。1−1で迎えた3ゲーム目リードする展開をジュースで落とすと、水谷・平野ともに精彩を欠いたプレーが目立つようになり、そのまま押し切られて1−4でゲームセット。悔しい準々決勝敗退となってしまった。

 また、3回戦でズュース・シャールと対戦した田勢ペアは第1ゲームをあっさり奪うが、、2ゲーム目から台上からの展開が得意な田勢ペアに対してドイツペアは大きなラリーに戦術を転換。戦術の変化に最後まで対応できなかった田勢ペアは続く4ゲームを全くいいところなく連取されてしまった。
 同じく3回戦では上田・福岡が韓国の若手ペア李鎮権・朴英淑と対戦。ラリーのスピードと精度で勝る韓国ペアから日本ペアが第2ゲームを奪うものの1−4で3回戦敗退となった。

 2回戦では松平健・福原が江宏傑・鄭怡静(台湾)と対戦し、ゲームオール9本で惜敗。江宏傑の強烈なフォアハンドドライブの決定力に対応できなかった松平・福原がまさかの2回戦敗退となった。


岸川・石川は同士打ちに敗れ悔しい3回戦敗退となった
勝ち上がりが期待できたペアだけに悔やまれる2回戦敗退


 なお、本大会の模様は 6月号(5/20発売予定)に掲載予定。

「エコ」を標榜する今大会ではペットボトルではなく、
段ボールケース入りの水がプレス用に用意されている