大会報道

2010モスクワ大会5日目:5月27日

2010.05.27

<世界卓球選手権大会>

日本男子、オーストリアに完勝でベスト8入り 〜北京五輪の借り返す〜

日本男子、準々決勝進出

 2大会連続でのメダル獲得を目指す日本男子。決勝トーナメント1回戦でオーストリアと対戦。
 日本は北京オリンピックでオーストリアに敗れて夢が絶たれた。今大会、メダル獲得に再出発するにふさわしい相手だ。

 日本はこの大一番で吉田をトップに起用した。相手は元世界チャンピオンのシュラガーだ。
 ゲームはラブオールからシュラガーに厳しく攻められて1-4とされる。吉田は中陣からバックドライブを交えて応戦して7-7に追いつくが、シュラガーに再び先手を取られて1ゲームを先取された。第2ゲームはシュラガーがゆっくりとした間合いからの速攻で3-6とリードする。ここで吉田はバックで弾き気味にうまく止めて6-6に追いつく。このあと心理戦の様相でラリーが続かない展開となるが、吉田がサービスからのバックプッシュでポイントを挙げて11-8で奪い取り、1−1に追いついた。
 五分となった第3ゲームはシュラガーが速い攻めで2-5。表情は厳しいが小さなガッツポーズで自らを鼓舞するシュラガー。吉田はバックに詰められてフォアに引き離されて4-8となり、1−2と追い込まれた。
 第4ゲーム、一気に決めてしまいたいシュラガーがスパートするが、ミスが出て苛立ちを見せる。吉田はその隙を見逃さず、バックサイドに流れるサービスからの強打で5-3、8-5と引き離す。8-6でシュラガーがフォアに払ったレシーブを吉田が飛びついて打ち抜き、雄叫びを上げる。このままドライブ連打で引き離して、吉田がゲームオールに持ち込んだ。
 最終ゲーム、チョォーと叫ぶ吉田と静かに戦うシュラガーという対照的な立ち上がり。吉田はフォアクロスの打ち合いでシュラガーに押されて1-4となり、日本はたまらずタイム。吉田は必死のがんばりで4-4とするが、後ろに下げられて5-8と再び離された。しかし吉田はあきらめず、シュラガーのフォアへのカウンターを必死のドライブではね返して8-9と追いすがり、オーストリアがタイムアウト。ここで吉田が回り込んで連続ドライブを決め、思わず吠える。先にマッチポイントを握りたい場面、シュラガーの3球目をしのいでクロスに決めて10-9とすると、最後も懸命の動きで粘り切った。
 日本は吉田がシュラガーを下す大金星で、貴重な先取点をもぎ取った。


吉田が渾身のドライブを放つ

シュラガーはリード守れず・・・

あふれる闘志で大金星


 日本は2番にエース水谷を持ってきた。相手の陳衛星は北京五輪で敗れたカットマンだ。
 試合は序盤から壮絶な打ち合いが展開される。立ち上がりから気合い十分の水谷が連続ドライブを決めて5-2とリード。ここで陳衛星にうまくカーブロングを混ぜられて5-5に追いつかれる。ここから水谷のドライブを陳衛星がカットとドライブでかけ返す展開が繰り広げられ、10-10にもつれ込む。両者譲らずジュース連続で18-18となるが、水谷が粘り切れず、18-20で陳衛星に先行された。
 両者とも2ゲーム分戦った疲労感の中、第2ゲームも互角のラリーが展開されて4-4、6-6、9-9、10-10とまたもジュースに。ここで陳衛星に強気の反撃でゲームポイントを握られると、ドライブをしのがれて、まさかの2ゲームビハインドを許してしまった。
 あとがなくなった水谷だが、第3ゲームは気持ちを盛り上げられず0-2とされる。ここで水谷は強気に行かず、緩くミドルとフォアに粘って陳衛星のミスを誘い、8-5とリードを奪う。この攻めに陳衛星がリズムを崩し、水谷がなんとか1ゲームをもぎ取った。しかし、第4ゲームは再び水谷が強く打ち込んでツブ高のカットとカーブロングにはまって3-5とされる。ここで陳衛星の反撃を懸命にブロックして5-5とするが、バックハンドにミスが出て5-7とされ、思わずうつむく・・・。しかし水谷は気持ちを切り替えてライジングで2本連取すると、ようやくガッツポーズが出る。ここから両者の激しい攻防で8-7、8-8、8-9、9-9と抜きつ抜かれつのの展開に。ここで水谷は陳衛星の捨て身のシュートドライブを2本続けてしのぎきり、0−2から2−2に持ち込んだ。
 こうなると試合の流れは水谷に移る。水谷は疲れの見える陳衛星のフォアを攻めて4-1として、オーストリアがたまらずタイムアウトを要求。しかし、水谷のドライブが冴えて6-2と点差を広げる。ここで陳衛星が再び息を吹き返して驚異の粘りを見せて6-6に追いつかれた。再びピンチが訪れた水谷だが、ドライブ連打で打ち切って7-6とすると、渾身のサービスでエースを奪って8-6と追い詰めた。水谷はいらだつ陳衛星を横目にひるまずドライブを仕掛けて9-6と引き離した。最後はバックハンドでブロックして追いすがる陳衛星を振り切り、両手を挙げてガッツポーズで締めくくった。
 これで日本が2−0として、準々決勝進出に王手をかけた。


水谷が気迫のプレーで逆転

陳衛星は2ゲーム先取も・・・

苦境を乗り越えて雄叫び


 王手をかけた日本は、3番に岸川を起用。オーストリアのガルドシュは北京オリンピックで韓陽を下した強敵だ。
 試合の立ち上がりはガルドシュに主導権を握られる。様子見の岸川は、ガルドシュの早い攻撃と中陣からの反撃に苦しんで2-7とされる。しかし、岸川は慌てず地味に粘ってガルドシュのミスを誘い、ジュースに追いついた。ここでバッククロスの攻防を制して11-10とすると、うまくフォアにストップして、逆転で第1ゲームを先取した。岸川は第2ゲームは出足から気合い十分でクロスに攻めて6-3、8-4と引き離す。しかし、ガルドシュにフィッシュで粘られて8-7に持ち込まれてタイムで流れを変えようとする。しかし、ジュースに追いつかれると、ドライブを左右に決められてまさかの逆転を許した。
 1−1となった第3ゲームは、両者流れを探り合い5-5。ここで岸川が上からかぶせて8-5とすると、3球目ドライブをクロスに決めて2−1と王手をかけた。
 いよいよベスト8が見えてきた岸川だが、第4ゲームはガルドシュにバックサイドに厳しく詰められて2-5とされる。ここで気合いを入れた岸川は、フォアハンドで動いてガルドシュのフォアに決めて5-5に追いつくと、飛びついてストレートに打ち抜く気迫のプレーで6-5。追い込まれたガルドシュはタイムアウトで流れを変えようとする。岸川は仕留めんとばかりフォアクロスに打ち抜いて9-6とするが、ガルドシュに3本連取されて9-9に追いつかれた。大事なこの場面で、岸川が強気のプレーを見せる。ガルドシュの甘いサービスをバックドライブで攻めて10-9とマッチポイントを握ると、最後はフォアハンドをクロスに放って勝負を決めた。
 結局、岸川がガルドシュを3−1で下して日本がオーストリアをシャットアウト。北京オリンピックの借りを返すとともに、準々決勝進出を決めた。
 日本は明日28日午前10時(日本時間午後3時)から、Dグループ1位の香港とメダルをかけた一戦に臨む。

 なお、明日の準々決勝は以下の組み合わせとなった。
  中国(グループA1位) vs ベラルーシ(グループD2位)
  香港(グループD1位) vs 日本(グループC2位)
  ドイツ(グループC1位) vs ロシア(グループA2位)
  韓国(グループB1位) vs ハンガリー(グループC3位)


岸川が強気のフォアで攻めた

ガルドシュは攻め切れず・・・

気迫でベスト8を勝ち取った

 ■男子団体 決勝トーナメント1回戦■

日 本
 
3-0
 
オーストリア

吉田海偉
7-11,11-8,7-11,11-6,11-9
シュラガー
水谷隼
18-20,10-12,11-7,11-9,11-7
陳衛星
岸川聖也
12-10,10-12,11-8,11-9
ガルドシュ




日本女子、全勝でグループリーグを突破 〜準々決勝は宿敵・韓国〜

日本女子、全勝で予選突破


 5大会連続でのメダル獲得を目指す日本女子。グループリーグ最終戦の第5試合はスロバキアと対戦。
 日本はすでにグループリーグ1位を決めており、この試合では福原と平野を下げて、藤沼、石川、藤井を起用した。

 トップは藤沼。今大会初登場の藤沼は、初戦にも緊張するそぶりを見せず小気味よいスマッシュを決める。まったくマルチェコバを寄せ付けず、ストレート勝ちで先取点を挙げた。
 
 続く2番は石川が登場。石川は左利きのバラゾバにやや苦しめられるが、要所で丁寧な両ハンドを決めてシャットアウト勝ち。日本があっさりと2点を連取した。

 3番は藤井キャプテン。藤井は得意のバックハンドサービスからバックハンドドライブをバシバシと決めてフデチョバを圧倒。総失点10点という圧勝で、日本がスロバキアに完封勝利を収めた。

 これで日本は5戦全勝を決めてグループD1位で第1ステージを突破。明日28日午後4時30分(日本時間午後9時30分)から、決勝トーナメント準々決勝で宿敵・韓国とメダルかけて争う。
 なお、明日の準々決勝のカードは以下の通り。
  中国(グループA1位) vs オランダ(グループB3位)
  日本(グループD1位) vs 韓国(グループC2位)
  香港(グループC1位) vs ドイツ(グループB2位)
  シンガポール(グループB1位) vs ハンガリー(グループC3位)


初登場の藤沼が決めた

石川は復調の兆し

キャプテン藤井が締めた


今大会の模様は、卓球レポート7月号に掲載

華やかな特別仕様のカウンター

 大会も終盤にさしかかり、メインフロアは明日から2コートに絞られる。
 世界卓球仕様のクリスタルブルーのカウント器がセンターコートに華やかさを加えている。

 今大会の模様は 7月号(6/20発売予定)に掲載予定。