大会報道

2010モスクワ大会3日目:5月25日

2010.05.25

<世界卓球選手権大会>

日本女子、台湾に大逆転勝ち 〜平野の神通力、再び〜

日本女子、台湾に劇的勝利!


 5大会連続でのメダル獲得を目指す日本女子。第3戦は台湾と対戦。
 台湾はルーマニアを完封するなど、好調な滑り出しを見せているチームだ。

 日本のトップはエース福原。
 立ち上がりから硬さが抜けない福原は、バック強打にミスが出て0-4。ここで軽くサァが出て3-4とするが、またもやバックハンドにミスが出て、8-11で鄭怡静に先行される。しかし、第2ゲームは前後に揺さぶって5-1、9-3と離して1−1に追いつく。すると、第3ゲームは中盤から小さいプレーでミスを誘って10-6して、2−1と王手をかけた。
 第4ゲームは流れが行き来する展開で4-4、6-6とシーソーゲーム。ここで福原が両ハンドを決めて9-7とするが、鄭怡静にバックハンドではね返されて9-10とひっくり返された。福原は台上プレーでジュースに追いつくも、最後はフォアハンドをミスして2−2に追いつかれた。
 ジュニア世代の選手にまさかのゲームオールとなった福原だが、鄭怡静にバックハンドで応戦されてなかなか抜け出せない。最終ゲームは決定打をフォアで決め合って4-4。ここで福原がチャンスボールをミスして4-5でチェンジエンド。福原はサービスを生かして7-7とするが、鄭怡静にフォア側に打たれて7-9とされてたまらずタイムアウト。しかし、回り込みドライブをミスしてまさかの逆転負けを喫した。
 日本は予想外の展開でリードを奪われた。


鄭怡静が力強いバックハンド

福原、まさかの展開に・・・

予想外の敗戦を喫す


 2番は平野。相手はエースの黄怡樺だ。
 平野は、昨日のルーマニア戦で日本の宿敵であるサマラとドデアンから2点取った黄怡樺にいきなり0-7と引き離される。あきらめずに必死に食らいついて10-9まで持ってくるが、回り込みドライブをミスして先行される。続く第2ゲーム、前のゲームの終盤にリズムをつかんだ平野がフォアハンドで動いて4-0とリード。今度は黄怡樺に粘られて10-9とされるが、気合いのループドライブで1−1に戻した。
 こうなると平野の流れ。第3ゲームは黄怡樺のフォアサイドを突いて5-0とすると、ループドライブに緩急を付けて8-2とリードを広げて、2−1と逆転。
 第4ゲームも立ち上がりから平野がしっかり動いて3-0として、黄怡樺がタイム。このまま平野がリードを広げて10-6とマッチポイントを握るが、黄怡樺が必死の粘りで10-8と追いすがって、日本がタイムアウトでリズムを変える。ここで一息入れた平野は、ガツンとロングサービスを決めて、相手エースの黄怡樺を圧倒した。


平野が見事な動きで快勝

黄怡樺は受け身に


 重要なポイントで回ってきた3番手の石川だが、予想外の苦戦を強いられる。  立ち上がりは両ハンドでキレイに決めて4-1とするが、前陣に徹する陳思羽にフォアハンドのカウンターを食らって5-6とひっくり返される。このままリードを奪えずに9-11で先行を許した。第2ゲームは石川が早く両サイドを突いて5-2とリード。このままフォアで攻めて11-8で取り返した。すると第3ゲームはフォアサイドから強ドライブを決めて7-4として、石川が2−1と逆転に成功。
 このまま押し切りたい石川だが、第4ゲームは陳思羽にカウンターを決められて、まさかのゲームオールに。
 取ると取らないとは大違いの最終ゲームは序盤から打ち合いとなり、5-4でチェンジエンド。6-6から石川がサービスを利して8-6とするが、レシーブミスで8-7となって石川がタイムアウト。8-8からサービスエースで9-8とするが、スマッシュを返されて9-9に追いつかれる。ここで石川はチャンスボールをミスしてマッチポイントを握られると、最後はまさかのレシーブミスで万事休す。日本女子がまさかの窮地に追い込まれた。


陳思羽はカウンターに徹した

石川、攻め切れず・・・


 4番はエース対決。前半でともに星を落とした福原と黄怡樺が対戦した。
 あとがない日本の勝利を託された福原は、気負わず丁寧な揺さぶりで7-4と引き離して第1ゲームを先取した。続く第2ゲームは中盤まで4-4、6-6と競り合う。速さの福原と柔らかさの黄怡樺が互角の攻防を繰り広げて8-8、9-9、10-10とジュースにもつれる。ここで福原がラッキーなサービスエースで11-10とすると、うまく揺さぶって12-10でこのゲームも連取した。
 立て続けに2ゲーム取って気持ちが落ち着いた福原。序盤からサァ連発で4-0とすると、たまらず黄怡樺がタイムアウト。しかし、福原はまったく緩めずライジングのフォアハンドを決めて、エース対決をストレートで制した。
 これで日本はなんとかラストに襷(たすき)をつないだ。


福原がエース対決で快勝

 いよいよ勝負の5番。平野、鄭怡静とも、いい流れでコートに向かう。
 序盤は平野が試合のペースを握る。第1ゲームはバックハンドで上から押し込んで5-2、7-3とリードを奪って、第1ゲームを先行した。すると第2ゲームは立ち上がりから動きが冴えて4-1、9-4と大きく引き離す。平野が一気に押し切るかと思われたが、鄭怡静が地道に追いついて、気がつけば10-10。ジュースに入って平野にサービスミスとレシーブミスが出て、まさかの逆転を許した。
 第3ゲームは少し前までの好展開が嘘のように、鄭怡静にキッチリと距離感を捕まれて2-4、3-6とリードを奪われる。焦る平野は攻めにミスが出て4-8とされ、鄭怡静に王手をかけられた。
 気がつけば、あっという間に土俵際に追い込まれてしまった平野。気持ちを入れ直してライジングのフォアハンドで攻め込んで5-2とリード。ここでファインプレーが出て6-2と引き離すと、波に乗って9-3と押し切ってなんとか2−2の五分に戻した。
 ようやくこぎ着けた最終ゲーム。ペースをつかんだ平野がループドライブを鄭怡静のバックに集めて3-0として、台湾ベンチがタイムを要求。しかし、平野はドライブで押して5-1でチェンジエンドした。このまま押し切りたい平野、フォアハンドで回り込んでドライブを連発して8-4と鄭怡静を追い詰める。しかし、まだ死んでいない鄭怡静は厳しいブロックで平野を動かして8-7に追いつくと、日本ベンチがタイムで一息入れる。ここから一進一退の攻防となり、9-7、9-8、9-9と互角の展開に。ここで鄭怡静にレシーブで払われて、平野が、日本が追い込まれた。ここで平野はこれまで出していない柔らかいフォームのサービスでエースを取り、なんとかジュースに持ち込んだ。それでも鄭怡静に立て続けに追い込まれて10-11、11-12と苦しい場面を驚異の粘りでしのぎきる。12-12で鄭怡静のバックハンドにミスが出て13-12と初めてマッチポイントを握ると、最後は3球目ドライブを放って勝負を決めた。
 平野は2008年広州大会で見せた神通力を発揮して、3度の苦境をしのいで見事な逆転劇で日本に白星をもたらした。台湾との全勝対決を辛くもものにした日本は、明日は第1ステージ最大の強敵・ルーマニアとの一戦に臨む。


平野が土壇場で力を発揮

鄭怡静、3度の好機生かせず・・・

最後は気迫を振り絞った

平野の神通力にベンチも感涙

日本男子、デンマークを圧倒 〜メイスは欠場〜

日本男子、デンマークを完封

 2大会連続でのメダル獲得を目指す日本男子。第3試合の相手はデンマークだ。
 デンマークのエース・メイスが故障で欠場し、比較的組みやすい相手となった。
 3日連続でトップはエース・水谷。
 立ち上がりはコングスガードの長身からの両ハンドにてこずって9-9とされる。ここでポイントを連取されてまさかの先行を許した。しかし、第2ゲームに入るとラリー戦に持ち込んで6-3とし、うまく攻撃をしのいで11-6で取り返して1−1に戻した。
 追いついた水谷だが、なかなかリズムに乗れずに7-9とされる。しかし、両ハンドで攻め込んで9-9に追いつくと、ループドライブでつないで11-9でなんとかリードした。第4ゲームもコングスガードのバックへの攻撃に手を焼いて5-5と競り合うが、フォアハンドで動いて中盤から引き離した。なかなか調子が出なかった水谷だが、なんとかコングスガードを3−1で下し、日本が先取点を挙げた。


水谷が中盤から引き離した

第1ゲームを先行するも・・・


 日本の2番は今日も吉田。昨日は安定したプレーでチームの勢いを作った。
 今日も立ち上がりから落ち着いたプレーで主導権を握って4-0、9-3と引き離す。ラスムッセンに粘られて10-9となるが、確実にドライブを決めて第1ゲームを先行する。第2ゲームは中盤まで5-5と競り合うが、吉田は無理をせず落ち着いた攻守でリードを奪って11-8でリードを広げる。
 すると第3ゲームは4-4からパワードライブで8-4と引き離すと、最後も連続ドライブで締めてラスムッセンを完封し、日本はあっさり王手をかけた。


吉田がパワードライブで決めた


 日本の3番手は今日も岸川。相手はしつこいプレーが持ち味のベテラン、ベンツェンだ。
 岸川は吉田が作ったいいムードを引き継いで攻撃的に戦う。第1ゲームは6-6からラリーを制して5本連取して、1ゲームを先行する。しかし、第2ゲームは団体戦に強いベンツェンにバックドライブを決められて2-5とされると、中陣から盛り返されて1−1に戻された。
 第3ゲームも立ち上がりはベンツェンにリードされるが、中盤からフォアハンドを交えて攻勢を仕掛けて8-3とリードを奪う。粘るベンツェンに9-8と追い上げられてタイムを取ると、バックドライブを決めて11-9でこのゲームを奪い、2−1と王手をかけた。
 すると第4ゲームはスタートから猛攻で4-0として、ベンツェンがたまらずタイム。しかし、岸川はまったく緩めず一気に引き離した。このまま岸川が11-4で圧倒して、日本がデンマークに完封勝ち。
 いよいよ明日はグループC第1シードのドイツとの大一番を迎える。


岸川がフォアハンドで猛攻

ベンツェンは中盤から防戦


今大会の模様は、卓球レポート7月号に掲載

クレーンカメラが登場

 中盤戦にさしかかる大会3日目からメインコートにクレーンカメラが登場。
 選手の頭上にのしかかるように、のっそりとそびえている。

 今大会の模様は 7月号(6/20発売予定)に掲載予定。