大会報道

2011ロッテルダム大会4日目:5月11日

2011.05.11

<世界卓球選手権大会>

女子シングルス、福原愛が3回戦で敗退・・・ 〜范瑛のカットに屈す〜

福原愛、無念の敗退・・・

 世界卓球2011ロッテルダムの大会4日目(5月11日)は男女シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスが行われた。
 
 注目の福原愛は午後1時45分から女子シングルス2回戦でキム・ヘソン(朝鮮民主主義人民共和国)と対戦。立ち上がりは福原が丁寧な速攻で先行するが、キム・ヘソンが世界ランキング134位とは思えぬフォアハンドドライブで福原に襲いかかる。ここから交互にゲームを取り合って3−2と接戦に。福原は第6ゲームに入ると手堅いブロックで揺さぶって、粘るキム・ヘソンを振り切った。

 続く3回戦は范瑛(中国)と対戦。今年のポーランドオープンで范瑛に完膚無きまでにやられている福原。おおかたの戦前の予想は、モスクワで韓国勢に繰り出したツッツキ作戦で来ると思われた。しかし、福原は立ち上がりから好機を狙って一発勝負する強気の作戦を展開。第1ゲームは4-8から攻め込んで逆転して見事に先制パンチ。しかし、第2ゲームは范瑛にスマッシュを返されて1−1に追い付かれた。
 勝負の流れは第3ゲームに集約された。福原はツッツキを多用して6-6とすると、強打を交えてジュースに持ち込んだ。ここでバックハンドの連打にミスが出ると、范瑛の変化カットに引っかかって1−2と逆転を許した。第4ゲームは序盤こそリードするが、范瑛が変化を効かせてひっくり返して1−3として、福原は早くも窮地に追い込まれた。
 あとがなくなった福原は范瑛の揺さぶりに懸命に食らいついて6-6。ここで2本続けて凡ミスが出て6-8とされて、たまらずタイムアウトを取る。6-9からスマッシュを決めて7-9としたところで、施之皓監督が盤石のタイムを入れる。ここで攻めのアドバイスを受けた范瑛に2本続けて打ち込まれ、福原は返すことができなかった。

 福原は試合後のインタビューで「自分の実力が足りないだけです。誰と当たっても勝てるような実力を付けなければいけない。」という言葉を繰り返した。福原は2003年パリ大会でベスト8入りしたが、今回も一段高い台座に登り詰めることができなかった。あの歓喜から10年経つ2013年、再びパリの地に舞い戻る世界卓球が夢を叶える舞台となることを信じたい。
 そして、最有力と思われたロンドンへの道も仲間の結果次第という立場に追いやられたが、「オリンピックの出場権がかかるようになり、卓球に本気で向き合えた時間が過ごせたと思います。やれるところまでやったので、あとは天に任せます」と心境を語った。


必死の強打を打ち込んだが・・・

高い壁が立ちはだかった

その悔しさを思い出の地で晴らせ


 石川佳純は2回戦で谷岡あゆかとの同士打ちを制し、3回戦で梁夏銀(韓国)と対戦した。石川は韓国の成長株に対して前陣で落ち着いた攻守を展開して3−0と一気に王手をかけた。しかし、石川のブロックに慣れてきた梁夏銀が果敢に両ハンドで攻め返して3−2と追いすがる。第6ゲームも競り合うが、最後は力で押し切った。
 石川は4回戦で第4シードの丁寧(中国)と対戦する。

 平野早矢香は2回戦でA.エアディ(セルビア)のカットを寄せ付けずに一蹴。続く3回戦でベテランのトート(ハンガリー)と対戦した。平野はトートの中陣からの両ハンドドライブを前陣でうまく捌いて2−0とリードする。しかし、トートに速攻の距離感をつかまれて2−2に追い付かれる苦しい展開に。第5ゲームは両者譲らずジュースにもつれるが、平野が執念で粘り倒して奪い取ると、第6ゲームは序盤から一気に押し切った。
 これで平野は4回戦で范瑛(中国)との対戦が決まった。


石川は手堅い攻守で辛勝

平野は粘りで押し切った


 そのほかの日本勢では、藤井寛子が3回戦に駒を進めた。
 藤井は2回戦で世界ランキング17位の朴美英(韓国)に挑んだ。藤井は2007年クロアチア大会で敗れている難敵に対して気後れしたのか、第1ゲームをあっさりと失う。これで目が覚めたのか、第2ゲームに入ると凡ミスがなくなってドライブに力がこもる。連続ドライブで朴美英を追い詰めて一気に3ゲームを連取した。第5ゲームは朴美英に捨て身の反撃を浴びて奪い返されたが、第6ゲームは再び連続ドライブモードに切り替わる。藤井は隙を与えない試合運びで朴美英を圧倒して、キッチリと4年前の借りを返した。
 続く3回戦は地元オランダのリ・ジエ。2戦続けてカット相手となった藤井。粘り強さが特長の朴美英と違い、リ・ジエはカットに変化を付けて揺さぶってくるタイプ。藤井は先ほどとは勝手が違い、なかなか有利な展開に持ち込めないが、懸命の連続ドライブで2−2とする。しかし、ここでリ・ジエが反撃をうまく交えて藤井を揺さぶって第5ゲームを圧倒し、3−2と王手をかけられた。追い込まれた第6ゲームは藤井が意地を見せて終盤まで競り合い、8−9で促進ルールにもつれ込む。藤井はなんとかジュースに持ち込んだが、最後はリ・ジエの変化カットにミスが出た。


藤井はベスト16入りならず



男子シングルス、水谷隼と岸川聖也が勝ち残る 〜3回戦へ〜

水谷隼は薄氷踏む勝利

 第7シードの水谷隼は2回戦で劉松(アルゼンチン)と対戦した。
 左利きの劉松はフォアハンドはフルスイングドライブ、バックハンドはショートレンジのカットという極めて特殊なプレースタイルだ。水谷はこの独特の戦い方に苦しめられて第1ゲームを競り負けると、第2ゲームは劉松に打ち合いに持ち込まれ、立て続けにゲームを失った。
 いきなり雲行きが怪しくなった水谷は、打ち合いを避けてブロックを効果的に混ぜる展開に誘い込む。これでようやくペースを掴むと、しっかりと4ゲームを連取して逆転勝利を収めた。
 明日の3回戦はフェイヤー・コナート(ドイツ)との対戦が決まった。
 
 昨日熱戦を乗り越えた岸川聖也は、プロコプツォフ(チェコ)と対戦。第1ゲームは硬さが見えて失ったが、第2ゲームに入ると動きが良くなってフォアハンドがクロスに決まり始める。岸川は終始打ち合いで圧倒して4−1で快勝し、3回戦進出を決めた。明日はオフチャロフ(ドイツ)と対戦する。


岸川は動きが冴えて快勝

 2回戦で李廷祐(韓国)と対戦した張一博。世界ランキング20位の強敵に対して、立ち上がりから怯まず前陣攻守を展開する。得意のブロックで李廷祐を揺さぶって2−0とすると、そのままリードを保って4−2で快勝する金星を挙げた。
 惜しくも3回戦で呉尚垠(韓国)の猛打に敗れたが、ファイトあふれるプレーが光った。

 第4シードの馬琳(中国)と対戦した丹羽孝希。第1ゲームは馬琳のドライブを前陣で狙い打って会場を沸かせ、オリンピック王者から1ゲームを先行する。第2ゲームは馬琳にドライブを食らって1−1とされたが、第3ゲームは10-9とゲームポイントを握る。ここで丹羽が攻め込んだボールを馬琳が懸命のロビングで拾って盛り返してジュースに追い付くと、丹羽にミスが出て馬琳に逆転される。丹羽は随所に好プレーを見せるものの、要所での点の取り方を知っている馬琳に引き離される。結局1−4で押し切られ、前回と同様に2回戦敗退となった。


張一博が李廷祐を下す金星

丹羽がカウンターを打ち込むも・・・

馬琳が五輪王者の力ではね返した


男子ダブルス、水谷・岸川が敗れる波乱 〜松平賢二・張一博が8強入り〜

水谷・岸川が3回戦で・・・

 男子ダブルスは3回戦が行われ、ベスト8が決定。2大会連続のメダル獲得を目指した水谷隼・岸川聖也が敗れる波乱となった。
 水谷・岸川はアジア競技大会で3位に入った鄭栄植・金?鉐と対戦した。水谷・岸川は韓国ペアの思い切りの良い両ハンド攻撃に押されて防戦に回る。なんとか中陣から打ち返すのだが、鄭栄植・金?鉐がまったく緩めない。第1ゲームをジュースで落とすと、第2ゲームも11-9で競り負けて、まさかの2−0スタートとなった。
 なんとか巻き返したい水谷・岸川はフォアハンドドライブを打ち込むが、韓国ペアがものともせず打ち返してリードを奪えない。第3ゲームは10-8とゲームポイントを握ったが、ここでも決めきれずに逆転されて、0−3で王手をかけられた。あとがなくなった水谷・岸川だが、鄭栄植・金?鉐のプレッシャーが強くて攻めに転じられない。
 結局、最後まで韓国ペアの攻めに押され続け、水谷・岸川がまさかのストレート負けを喫した。


必死のフィッシュで盛り返したが・・・

韓国ペアが猛攻で大金星


 隣のコートで水谷・岸川が敗れるのを察したのか、松平賢二・張一博が奮闘を見せた。
松平・張はチェン・ユック/リ・チン(香港)の老獪な攻守にミスが出て1−3と王手をかけられた。しかし、まったく諦めるそぶりを見せない松平・張は長いラリーに持ち込まずに先手必勝とばかり攻め立てる。すると、香港ペアのリズムを狂わせて、3−3に追い付いた。
 最終ゲームは一進一退の攻防が続き両者まったく譲らない。終盤に日本ペアにミスが出て8-10とマッチポイントを握られたが、なんとか粘ってジュースに追い付くと、最後は賢二が台上フリックで打ち抜いて熱戦に終止符を打った。
 明日の準々決勝は水谷・岸川を下した鄭栄植・金?鉐(韓国)との対戦だ。仲間のリベンジ、そしてメダル獲得に向け、明日も攻め続けるのみだ。

 全日本王者の松平健太・丹羽孝希は、バウム・シュテーガー(ドイツ)のフィッシュに対して攻めが雑になり、持ち味を出せずに完敗した。


松平賢二・張一博が大逆転で8強入り


混合ダブルス、ベスト8が出揃う 〜岸川・福原が準々決勝へ〜

岸川・福原がベスト8入り

 混合ダブルスは4回戦が行われ、ベスト8が出揃った。
 第4シードの岸川聖也・福原愛は、ガオ・ニン/リ・ジャウェイ(シンガポール)と対戦した。
 立ち上がりは両チームが激しく打ち合う展開となるが、岸川・福原が11-9で先行する。すると岸川・福原のエンジンが全開となり、見事なコンビネーションで強打をビシバシと決めていく。第1ゲームの接戦が嘘のような圧巻の内容でストレート勝ちを収め、準々決勝進出を決めた。
 明日の午後0時15分からヤン・ズィ/王越古(シンガポール)とメダル確定を争うことになる。

 第6シードの松平健太・石川佳純は、シェチニン/Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)と対戦した。
 松平・石川はカット同士のベラルーシペアに対して、丁寧にドライブを左右に散らして第1ゲームを先行する。しかし、徹底してカットに専念するベラルーシペアの術中に飲み込まれ、立て続けに3ゲームを奪われる。なんとか攻めて第5ゲームを取り返したが、第6ゲームは無理に攻めたボールにミスが出てしまい、無念の敗戦となった。


健太・石川は攻め切れず

ベラルーシの守備が上回った


今大会の模様は、卓球レポート7月号に掲載

地元オランダの活躍にファンが熱狂

 大会も中盤を迎え、徐々に客足が増えている。
 オランダの選手の奮闘に詰めかけたファンが熱い声援を送り、会場がヒートアップした。

 今大会の模様は 7月号(6/20発売予定)に掲載予定。