大会報道

2011ロッテルダム大会5日目:5月12日

2011.05.12

<世界卓球選手権大会>

混合ダブルス、岸川聖也・福原愛が銅メダル 〜日本勢34年振りの快挙〜

岸川・福原が見事に銅メダルを獲得

 世界卓球2011ロッテルダムの大会5日目(5月12日)は男女シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスが行われた。  混合ダブルスは準々決勝と準決勝が行われた
 第4シードの岸川聖也・福原愛は、ヤン・ズィ/王越古(シンガポール)とメダル確定を争った。
 試合は立ち上がりから岸川とヤン・ズィのドライブを福原と王越古がブロックし合う。互角の展開で9-9となるが、岸川がモーションを加えたレシーブで王越古のミスを誘って日本ペアが先行する。第2ゲームも双方譲らず再び終盤までもつれるが、日本ペアがミスを誘って2ゲームを連取した。第3ゲームも前陣で激しい打ち合いが展開され、またもや9-9に。ここで福原がファインブロックでゲームポイントを握ると、岸川がレシーブドライブを決め、一気にメダルに王手をかけた。
 しかし、勝利を意識したのか第4ゲームは日本ペアの攻めが雑になり、シンガポールにあっさりと奪い返されてしまう。
 ずるずる引きずりたくない日本ペア。第5ゲームは立ち上がりからフォアとバックの連続攻撃をビシバシと決めて6-3と引き離す。シンガポールペアの粘りにあって9-8とされたところで盤石のタイムを入れると、このまま押し切って準決勝進出を勝ち取った。
 続く準決勝はハオ帥・木子(中国)にストレートで敗れて、惜しくも決勝進出はならなかった。

 この結果、岸川・福原は銅メダルを獲得した。日本勢の混合ダブルスでは1977年バーミンガム大会以来34年振りのメダル獲得となった。ジュニア世代から卓球日本の復活を託されて戦ってきた岸川と福原。ともに仙台にゆかりがある二人が日本を勇気づける快挙を成し遂げた。


見事なコンビネーションで快挙達成

日本中が待ちわびたハイタッチ


決勝を目指して打ち込んだが...

第1シードの壁が立ちふさがった



男子シングルス、水谷隼が準々決勝へ 〜岸川は3回戦敗退〜

水谷がベスト8入り

 男子シングルスは3回戦と4回戦の一部が行われた。
 第7シードの水谷隼は3回戦で元ヨーロッパダブルス王者のフェイヤー・コナート(ドイツ)と対戦。
 水谷はパワーが売り物のフェイヤー・コナートに対して、ガッツリ打ち合わずに主導権を握って3−0とリードする。勝ちが見えた水谷は少し緩んで2ゲームを取り返されたが、再び手綱を締めてラリーをコントロールしてフェイヤー・コナートを退けた。
 続く4回戦はマットネ(フランス)と対戦した。マットネは素早いスイングから繰り出す威力満点のドライブを武器に、ガオ・ニン(シンガポール)を圧倒して勝ち上がってきた。
 水谷は3回戦と同様に力勝負を避けて柔らかい攻守でマットネをはぐらかし、第1ゲームを先行する。しかし、第2ゲームは台の近くに付いたマットネに上からドライブをかぶせられ、1−1に追い付かれた。このゲームでマットネの威力を感じた水谷は、台上で先手を取らせず、マットネに十分な体勢で打たせない。打ち合いでも時折ブロックを混ぜながらリズムを変えて、3−1と勝利に王手をかけた。
 水谷は第5ゲームも手堅い攻守を展開するが、マットネが勝負をかけたドライブ攻撃で追いすがられてジュースにもつれこんだ。しかし、最後は水谷がしっかり我慢して振り切って準々決勝進出を決めた。
 明後日14日に行われる準決勝の相手は世界チャンピオンの王皓(中国)だ。世界で一番高い壁ではあるが、過去に打ち破ったことのある相手だ。日本のエースが世界のエースに取って代わることを期待せずにはいられない。


水谷が堅実なプレーで快勝

マットネはパワーを生かせず


 3回戦でオフチャロフ(ドイツ)と対戦した岸川聖也。同世代の強敵を意識したのか、立ち上がりから無理な攻めが目立つ。第1ゲームを3-11で失うと、バックサイドの打ち合いでパワーに押されて第2・3ゲームを連取され、一気に土俵際まで追い詰められた。なんとか打開策を打ち出したい岸川だが、今日のオフチャロフは隙がない。いつものナーバスさが出ず、岸川の強打を中陣から思い切り打ち返してくる。
 結局、岸川はなすすべなく完敗して、ベスト16入りはならなかった。


岸川、懸命の攻撃も・・・

今日のオフチャロフは強かった


 4回戦でアテネオリンピック決勝が再現された。第1シードで世界チャンピオンの王皓(中国)と、アテネオリンピックで王皓を下して金メダルに輝いた柳承敏(韓国)が激突した。
 試合はおおかたの予想に反して柳承敏がペースを握る。全盛期の躍動感は衰えたものの、大一番の強さは健在。立ち上がりから王皓の裏面ドライブをプッシュとカウンターで狙い打って第1ゲームを先行する。これで目が覚めた王皓は裏面ドライブをバックストレートに散らして柳承敏の足を止め、2−1と逆転に成功する。このまま押し切るかと思われたが、柳承敏が二枚腰を見せた。王皓をバックに詰めて2−2とすると、第5ゲームは貯めていたパワーを全開に開放して一気にスパートして2−3と逆王手を掛け替えし、世界王者を追い詰めた。
 このままでは柳承敏に借りを返せなくなる王皓は、ミドルを効果的に使ってから柳承敏のフォアサイドを抜いて、ゲームオールに持ち込んだ。いよいよ最終ゲーム。王皓が中盤からサービスを生かして抜け出すと、柳承敏は力尽きて抵抗もここまで。王皓が世界の舞台で7年越しのリベンジを果たした。


柳承敏、アテネを思わせる猛攻も・・・

王皓が7年越しのリベンジ達成


女子シングルス、日本勢は姿消す・・・ 〜石川と平野はベスト16に〜

石川、2大会連続8強ならず・・・

平野はベスト8に届かず・・・

 女子シングルスは4回戦が行われ、ベスト8が出揃った。日本勢で勝ち残っていた石川佳純と平野早矢香はともに中国勢に敗れて準々決勝進出はならなかった。

 前回横浜大会でベスト8入りした石川佳純は、第3シードの丁寧(中国)に挑んだ。
 試合は立ち上がりから丁寧が力で押してくる。バッククロスで高速ラリーの応酬となるが、石川は丁寧が伸ばしてくるバックハンドを受け止められず0-5とされ、第1ゲームを失った。すると第2ゲームも一方的な防戦となり0−2と引き離される。第3ゲームも0-5とされるが、ここから捨て身のバックハンド強打を繰り出してなんとかジュースに追い付いた。ここで石川は前陣カウンターを決めて、強敵から1ゲームをもぎ取った。
 しかし、これで目が覚めた丁寧に第4ゲームを締められて王手をかけられると、第5ゲームはバックに厳しく攻められて1-5とされ、たまらずタイムアウト。石川はなんとか流れを変えたかったが、猛然と押してくる丁寧のバックハンドを防ぎきれなかった。
 結局、石川は1−4で丁寧に押し切られて、2大会連続のベスト8入りはならなかった。


横浜の再来を狙ったが・・・

強いプレッシャーで押しつぶした


 平野早矢香は4回戦で范瑛(中国)と対戦した。昨日福原に立ちはだかった范瑛のカットに対してどのように戦うかが注目された。
 平野は変化幅の大きい范瑛のカットに対して、じっくりと粘らずに好球必打でスマッシュを打ち込む作戦。これが見事にはまって11-3で先行する。しかし、第2ゲームに入ると范瑛が切ったカットで平野に揺さぶりをかける。平野は強打の角度が狂って1−1に追い付かれた。すると、平野は徐々に范瑛にスマッシュの距離をつかまれて、思うように強打が抜けなくなる。范瑛にじっくりと変化を付けられて1−2と逆転を許した。
 このままでは勝機がなくなる平野。第4ゲームは立ち上がりから徹底してドライブをかけて7-4とリードする。しかし、范瑛にうまく打たされて7-7に追い付かれると、一気に抜かれて1−3と土俵際に追い込まれた。すると第5ゲームは范瑛の自由自在の変化に惑わされて1-5と引き離された。
 このまま平野は范瑛を打ち崩せず1−4で敗戦。この結果、ロンドンオリンピックの出場権争いが微妙なラインになった。注目の世界ランキングは5月16日に発表される予定だ。


序盤はスマッシュが効いたが・・・

今日も変化カットで日本を防いだ


女子ダブルス、藤井寛子・若宮三紗子が8強入り 〜福原・石川は敗退〜

藤井・若宮が準々決勝に進出

 女子ダブルスは3回戦が行われ、ベスト8が決定した。
 全日本優勝ペアの藤井寛子・若宮三紗子は、ドボラック・ラミレス(スペイン)と対戦。格下ではあるが2回戦でトート・ポータ(ハンガリー)を一蹴してきた相手とあって警戒された。
 しかし、藤井・若宮は立ち上がりから位置取りを前に保って優勢にラリーを展開する。丁寧な台上プレーで先手を取ると、藤井の回転のかかったドライブと若宮の切れ味鋭いシュートドライブがビシバシ決まって、スペインペアを圧倒する。
 藤井・若宮はドボラック・ラミレスをまったく寄せ付けず4−0でスカッと快勝して準々決勝に駒を進めた。明日はメダルをかけて、前回3位の姜華君・帖雅娜(香港)に挑戦する。

 上位進出の期待がかかった福原愛・石川佳純は、3回戦でキム・ヘソン/キム・ジョン(朝鮮民主主義人民共和国)の連係プレーに足元をすくわれた。
 試合は福原・石川の連続攻撃をキム・ヘソン/キム・ジョンが前陣で打ち返す展開。第1・2ゲームとも終盤の競り合いで北朝鮮ペアに押し込まれて0−2とリードを許した。何とか追い付きたい福原・石川は、休まず攻めて2ゲームを取り返し、2−2のタイに戻した。
 山場の第5ゲームは両者一歩も引かずにジュースにもつれるが、福原がツッツキをミスし、石川がブロックできずに王手をかけられた。福原・石川は大事な局面で勝機を失って立て直せない。第6ゲームは序盤から精度を欠いたプレーで0-5とされる。ここで開き直ってカウンターで4-5と持ち直すが、石川の台上強打にミスが出て流れが止まる。このまま一気に6本連取されて万事休す。
 日本の期待を背負ったヒロインペアはまさかのベスト16という結果に終わってしまった。


福原・石川、無念の3回戦負け・・・

キム・ヘソン/キム・ジョンが立ちはだかった


男子ダブルスはベスト4が決まる 〜松平賢二・張一博は準々決勝敗退〜

松平賢二・張一博はベスト8に終わる

 男子ダブルスは準々決勝進出が行われ、ベスト4が決定した
 準々決勝に進出した松平賢二・張一博は、昨日水谷・岸川を完封した鄭栄植・金?鉐(韓国)と対戦した。
 立ち上がりは厳しい先手争いとなり10-10となるが、韓国ペアが強気のプレーを貫いて先行する。第2ゲームは日本ペアが台上で優位に立って6-4とする。ここでサービスのレットの判定に松平賢二が食いついて流れが止まる。韓国ペアがラリーに持ち込んで6-6に追い付くと9-9までもつれる。ここで韓国ペアが得意のチキータでレシーブから攻めると、続くレシーブは短く止めて日本ペアのミスを誘い、2−0とリードを広げた。すると第3ゲームは韓国ペアのエンジンが全開となり、日本ペアはまったくラリーにさせてもらえず、一気に押し切られて王手をかけられた。
 あとがなくなった日本ペアは、松平が捨て身の攻撃で攻め入って5-2とリード。韓国ペアにジリジリと追い詰められて10-9となるがなラッキーなエッジで1ゲームを奪い返した。
 これで流れが松平・張に向くかと思われたが、鄭栄植・金?鉐が力でねじ伏せにかかる。ラリー戦で全開のパワーを込めて1-6と日本を追い詰めると、このまま一気に追いやった。
 結局、松平・張は鄭栄植・金?鉐のラリー戦での強さに敗れ、ベスト8に終わった。


先手を取って攻め込んだが・・・

パワー全開で弾き返した


今大会の模様は、卓球レポート7月号に掲載

かつての女王が会場に見参

 大会は終盤戦に近づき、今回も中国勢の活躍が目立ち始めている。
 横浜を沸かせた女王・張怡寧さんが会場に訪れ、同胞にエールを送った。

 今大会の模様は 7月号(6/20発売予定)に掲載予定。