大会報道

2011年ジャパン・オープン大会最終日:7月10日

2011.07.10

<ワールドツアー・ジャパンオープン>

男子シングルス、岸川聖也が日本人初優勝 〜決勝で水谷隼に打ち勝つ〜

岸川聖也がジャパンオープンを制覇

 男子シングルス決勝は水谷隼と岸川聖也の日本人対決。ジャパンオープンは23回目にして初めてシングルスで日本人王者が決まることになった。両者はロンドンオリンピックの出場権を獲得しており、文字通り日本の主軸の争いとなった。
 注目の立ち上がり、岸川が鋭い両ハンドドライブを広角に放って水谷を防戦に追いやって2-8として、第1ゲームを先行する。第2ゲームも岸川が水谷のドライブを上から叩いて2-4とリードする。岸川に会心の当たりを浴びて目が覚めた水谷。しっかり足を使ってドライブを打ち分けて8-4と逆転して1対1に追い付いた。
 第3ゲームは互角の打ち合いで一進一退の展開となり4-4、5-5、6-6、7-7。ここで水谷にミスが続いて7-10と岸川がリードすると、9-10からサービスエースを決めて1対2と一歩先行した。続く第4ゲームも両者一歩も引かないラリー戦となり5-5。ここで岸川が水谷のバックサイドに攻め込んで5-7と引き離しにかかる。しかし、水谷が台上プレーで取り返して7-7に追い付いた。ここから再び攻め合いとなるが、8-8から岸川がファインプレーを連発して1対3と栄冠に王手をかけた。
 ここで仕留めておきたい岸川。第5ゲームは立ち上がりから猛然とスパートをかけて3-6と引き離す。いよいよあとがなくなった水谷は我慢のプレーで左右に動いて8-8と追いすがる。ここを落とすと嫌な流れになる岸川は、再びエンジンに点火してフォアハンドドライブを放つ。最後は水谷のドライブをカウンターブロックして勝負を決めた。
 これで岸川が水谷を4対1で下してプロツアー初制覇。さらにジャパンオープンで日本人初の栄冠に名を刻んだ。試合後のインタビューで「まさか自分がプロツアーで優勝できるとは思いませんでした。最近は試合を勝って終えることがなかったのでうれしいです。」と喜びを語った。


岸川が会心の攻撃を披露

水谷は必死に粘ったが・・・

ついに日本勢初の王座に就いた


-準決勝第1試合、水谷が高木和との死闘を制す-

 準決勝第1試合は、水谷隼vs高木和卓。全日本の準決勝で素晴らしい打撃戦を展開した両者。今回も一歩も譲らない好試合が展開された。
 立ち上がりから高木和が力強い両ハンドドライブで押し込むが、水谷がうまくラリーに持ち込んで競り合いを制して3対1と王手をかける。
 ここから高木和が足を使ってフォアハンドで攻め立てて水谷を防戦に追いやると、立て続けに2ゲームを奪い返してゲームオールに持ち込んだ。
 最終ゲームは一進一退の攻防で4-4。ここから水谷が気合いを入れて7-4と引き離し、粘る高木和を振り切った。
 惜しくも水谷には一歩及ばなかった高木和だが、ラリー戦の強さで大会を大いに盛り上げた。


水谷が巧みな攻守で競り勝った

高木和は敗れるも健闘が光った

-準決勝第2試合、岸川が丹羽を完封-

 準決勝第2試合は、岸川聖也と丹羽孝希が対戦した。若手成長株の丹羽の超高速プレーに対して岸川がどのように戦うかが注目されたが、試合は予想外の大差となった。
 岸川は立ち上がりから丹羽の速攻をしっかりと受け止めて、強い圧力で押し返して2対0とする。第3ゲームに入ると丹羽がカウンターで流れを変えようと試みるが、岸川がしっかりと止めてペースを渡さず、要所でキッチリと決めて3対0と王手をかける。
 第4ゲームも中盤から岸川が両ハンドドライブをワイドに決めて一気に丹羽を押し切った。
 丹羽は岸川には完敗したが、世界ジュニアで1位と2位の中国勢を連破するなど、今後に期待を抱かせる大会となった。


岸川が貫禄のプレーで圧倒

丹羽は攻めが通じず・・・


女子シングルス、馮天薇が初優勝 〜福原愛は初制覇ならず〜

馮天薇が日本に錦を飾った

 女子シングルス決勝は、第1シードの馮天薇(シンガポール)と福原愛が対戦。
 試合は先手を取って高速で攻める福原の両ハンドを馮天薇が受け止める展開となって5-5。ここから馮天薇にフットワークで攻め返えされて第1ゲームを先行された。第2ゲームは福原がバックハンドで素早く攻めて6-9とリードを奪う。しかし、馮天薇にうまく左右に揺さぶられてジュースに持ち込まれると、厳しくフォアを鋭く突かれて2対0とリードを広げられた。第3ゲームも馮天薇に4-0とされるが、福原が前に張り付いて4-5と逆転に成功。このままリードを保って7-9とするが、フォアにドライブを集められて9-9に追い付かれた。ここで福原が勝負をかけたバック強打がネットに引っかかると、馮天薇にフォアハンドを決められて早くも王手をかけられた。
 いきなり追い詰められた福原だが、馮天薇にバックサイドから打ち分けられて4-1とされ、たまらずタイム。しかし、流れを引き戻せずにライジングバックハンドを浴びて8-2と引き離された。土俵際の福原は馮天薇の攻撃に対して無理に応戦せず、柔らかいブロックに切り替えてペースを掴むと、ジリジリと追いすがってなんとかジュースに持ち込んだ。ここから互いに攻め合って13-13となるが、福原の回り込みドライブがネットにかかって14-13となると、最後は馮天薇にサービスエースを決められてジ・エンドとなった。
 かつて日本の実業団でプレーした馮天薇が錦を飾る栄冠を手にした。
 一方の福原は馮天薇には及ばなかったが、会場に詰めかけたファンの期待に応えて奮闘した。ジャパンオープンで初めて檜舞台まで勝ち上がったことは、今後の自信となることだろう。


馮天薇が力強い攻守で快勝

福原は速攻を受け止められ・・・

悲願の初制覇ならず


-準決勝第1試合、シンガポール対決は馮天薇が圧倒-

 準決勝第1試合は、馮天薇と王越古のシンガポール)対決。
 試合は2連覇を狙う王越古が手堅いブロックで馮天薇のドライブを捌いて第1ゲームを先行する。しかし、第2ゲームに入ると馮天薇がうまく緩急を付けて王越古を狂わせる。すると馮天薇の動きが軽快になり、王越古の球筋を見切って攻め立てる。
 このまま一気に馮天薇が打ち込んで、前回王者を圧倒した。


馮天薇がうまく緩急を付けた

王越古は連覇ならず

-準決勝第2試合、ヒロイン対決で福原が石川を完封-
福原が石川に完封勝利

 準決勝第2試合は、日本中が注目するヒロイン対決となった。
 第1ゲームは石川が豪快に攻め込んで10-6とするが、福原が堅実なプレーでジュースに追い付く。ここで福原が石川のフォアにうまく流して先行する。すると第2ゲームは福原が静かに揺さぶって1-5とリードする。流れが悪い石川は大きな展開に持ち込んで8-8に追い付く。ここで福原がサービスから攻め込むと、9-10から左右に連打を放ってこのゲームも連取する。
 こうなると福原ペース。緩急を付けた攻守で石川のミスを誘って1-5とすると、速攻をフォアに決めて2-8と引き離す。このまま持って行かれたくない石川が意地の両ハンドで7-8と追いすがると、強気のレシーブでなんとかジュースに追い付いた。しかし、ここでも福原が落ち着いて台上強打をズバッと決めて、早くも勝利に王手をかけた。
 すると第4ゲームは福原が小刻みに動いて0-5と決めにかかる。ここから得意の速攻が冴えわたって2-8として、注目の一戦を一気に締めくくった。


石川、立ち上がりは良かったが・・・

福原が速さでねじ伏せた


男子ダブルス、林高遠・呉家驥が初優勝 〜松平健太・丹羽孝希の連破を阻む〜

林高遠・呉家驥が初制覇

 男子ダブルス決勝は、前回王者の松平健太・丹羽孝希(日本)と林高遠・呉家驥(中国)が対戦した。
 立ち上がりは丹羽がバックハンドを打ち込むが、健太が波に乗れずに6-9とされて先行を許した。第2ゲームは動きの良さが身上の中国ペアが3-8とリードするが、日本ペアが高速プレーで応戦して9-9に追い付く。ここで呉家驥がファインプレーを見せて2ゲームを連取する。
 大きいラリーになると苦しい日本ペア。第3ゲームはバックハンドで広角に攻めて6-3とリードを奪うと、10-9からラリーを制してなんとか1ゲームを取り返した。続く第4ゲームは両者互角の展開で7-7となるが、日本ペアに凡ミスが続いて引き離されて、1対3と連覇に暗雲が立ち込めた。
 何とかしたい日本ペアだが、第5ゲームは中国ペアに力で押し込まれて3-5とリードされると、必死のカウンターも続かず5-8と追い込まれた。ここでなんとか踏ん張って9-10まで追いすがるが、最後は台上フリックで揺さぶられて万事休す。


抜群の動きで前回王者を圧倒

大きなラリーに持ち込まれ、連覇ならず


女子ダブルス、藤井寛子・若宮三紗子が栄冠 〜シンガポールペアに快勝〜

藤井・若宮が女子ダブルスを制覇

 女子ダブルス決勝は、藤井寛子・若宮三紗子(日本)とリ・ジャウェイ/王越古(シンガポール)で争われた。
 立ち上がり、準決勝で福原・石川を圧倒したシンガポールペアに先手を取られる。台上で広角に揺さぶられて4-8となり、第1ゲームを先行された。続く第2ゲームも鋭いカウンターを浴びて3-6とリードされる展開。ここで藤井が渾身のドライブで攻め込んで9-9に追い付くと、日本ペアが台上で揺さぶってからの連続攻撃で1対1に追い付いた。
 流れを決めそうな第3ゲームは藤井・若宮が早めに仕掛けて流れを掴んで9-2とする。点差が開いて油断したのか、ミスが続いて9-8まで追い詰められるが、若宮が2本続けてフォアハンドを決めて日本ペアが逆転した。第4ゲームは前陣での叩き合いとなってジュースにもつれるが、ラッキーなネットが出て3対1と王手をかけた。
 これで完全に勢いに乗った日本ペア。第5ゲームは動きが冴えて6-1と引き離す。ここで攻め疲れて6-5となるが、気持ちを引き締め直して藤井がバッククロスにシュートで決めて、嫌な流れを断ち切った。このまま藤井・若宮が攻め切って、初の栄冠をゲット。これで日本勢は女子ダブルスで3連覇を決めた。


見事な攻撃で日本勢V3

シンガポールペアは防戦に・・・


今大会の模様は、卓球レポート9月号に掲載

 今大会の模様は 9月号(8/20発売予定)に掲載予定。