大会報道

第80回インターハイ青森大会4日目:8月12日

2011.08.12

<インターハイ>

男子ダブルスは吉村真晴・有延大夢(野田学園)が初優勝 〜丹羽・町に大逆転〜


吉村・有延が見事な大逆転勝利

 男子ダブルス決勝は、第1シードの丹羽孝希・町飛鳥(青森山田)と第2シードの吉村真晴・有延大夢(野田学園)が対戦した。 丹羽・町は地元・青森で前回の雪辱を目指す。一方の吉村・有延は昨年に続いて野田学園勢の連覇を目指す。
   ゲームは立ち上がりから責め合いとなる。序盤は丹羽・町が連続ドライブ全開で5-1とリードをするが、吉村・有延がテクニックで応戦して6-6に追い付く。ここから丹羽が自在のカウンターを左右に決めて5本連取して、丹羽・町が第1ゲームを先行。続く第2ゲームは互角の打ち合いとなって4-4となるが、ここから丹羽・町が落ち着いて強打をブロックして7ポイントを連取して一気に栄冠に王手をかけた。
 このまま押し切りたい丹羽・町だが、吉村・有延も懸命に踏ん張って8-8。このあと8-10から9-10となったところで吉村・有延がたまらずタイム。ここで町のサービスが甘くなり、吉村・有延がなんとか1ゲームを取り返した。
 第4ゲームは両ペアの意地がぶつかって4-4となるが、気持ちを入れ直した丹羽・町が連続攻撃で9-5と決めにかかる。9-6とされて盤石のタイムで一息入れると、ついに10-8とチャンピオンシップを握った。いよいよあとがなくなった吉村・有延は必死の粘りでジュースに追い付くと、渾身のカウンターを決めて勝負を振り出しに戻した。なかなか勝利が近づかない丹羽・町。気がつけばゲームオールとなってしまった・・・。
 これで目が覚めた丹羽・町が最終ゲームの立ち上がりから一気にスパートして4-0と引き離す。それでも諦めない吉村・有延は一発攻勢で4-4に追い付くと、一進一退の攻防で7-7に。ここで吉村・有延がうまくブロックして7-8と逆転すると、吉村のカーブドライブが鋭角に決まって7-9とリードを広げる。8-9から再び吉村がクロスに打ち抜くと、最後も気迫のドライブで勝負を決めた。
 何度も押し切られそうな場面を必死にしのいだ吉村・有延が敵陣で見事な逆転劇を演出し、野田学園勢が2年連続優勝を勝ち取った。


吉村・有延が追い込まれてから力を発揮

丹羽・町はあと1点が取れず、またも2位に・・・

敵陣で格別の勝利のVサイン

−3位は吉田・姫野(青森山田)と斎藤・小坂(遊学館)−


吉田・姫野は同士打ちで競り負けた

斎藤・小坂はノーシードから快進撃

 3位はと吉田・姫野(青森山田)と斎藤・小坂(遊学館)が入賞した。
 2年生ペアの吉田・姫野は第4シードの実力を見せて順当に準決勝に勝ち上がった。丹羽・町との同士打ちでも一歩も引かずにラリー戦を展開したが、攻撃の手数の差が出て競り負けた。
 ノーシードの斎藤・小坂は1回戦をゲームオールジュースで切り抜けて勢いに乗った。遊学館らしいシャープなカウンタープレで次々と上位勢を連破。特に準々決勝で第2シードの松下・徳永(希望が丘)を打ち下した試合は圧巻の内容だった。



女子ダブルスは松本優希・松平志穂(四天王寺)が初優勝 〜決勝で同士打ちを制す〜


松本・松平がうれしい初優勝

 女子ダブルス決勝は、ベスト16シードの酒井・成本と第2シードの松本・松平という四天王寺勢の同士打ちとなった。この時点で四天王寺勢の2年振りの女子ダブルス制覇が確定した。
 試合は同士打ちらしい打ち合いが繰り広げられる。松本・松平のドライブに対して酒井・成本が前陣カウンターで応戦する展開でジュースにもつれ込む。ここで松平がフォアで動いてドライブを打ち込んで第1ゲームを先行する。第2ゲームも一進一退の攻防が続いて6-6、8-8、10-10と譲らない。両者2本取り合って12-12となるが、ここでも松本・松平がしっかりと足を使って攻め込んで優勝に王手をかけた。
 追い込まれた酒井・成本は開き直って強打を狙う。第3ゲームは中盤で一気に引き離し、なんとか1ゲームを奪い返した。
 嫌な展開でゲームを失った松本・松平。原点に戻って再び足を使う。松平がフォアハンドドライブを連発して6-3と引き離し、たまらず酒井・成本がタイムアウト。しかし、松本・松平は気持ちを切らずに会心の攻守を連発して8-3と引き離して勝負を決めた。
 1年生で栄冠を手にした松平は、二人の兄(賢二、健太)に並ぶ栄冠を手にした。


松本・松平が攻撃力を発揮した

成本・酒井はカウンターで2位に

同士打ちを制して安堵の笑顔

−3位は三宅・清水愛(就実)と小道野・永尾(横浜隼人)−


三宅・清水は松本・松平に惜敗

小道野・永尾は攻撃力で4強

 3位は三宅・清水愛(就実)と小道野・永尾(横浜隼人)が入賞した。
 第3シードの三宅・清水愛は留学生のペアを連破して順当にベスト4入りを果たした。松本・松平とも互角の展開で追いすがったが、競り合いで受け身に回って押し切られた。
 小道野・永尾は、前回ベスト4に入賞した小道野が1年生の永尾をうまくリード。小道野が得意の台上でチャンスを作り、大柄の永尾がパワードライブでドスンと決める展開が効果的だった。



男子学校対抗、決勝は青森山田と野田学園 〜2年連続の顔合わせ〜


青森山田が15年連続決勝進出

 男子学校対抗は準決勝が行われ、決勝に進出する高校が決まった。決勝のカードは昨年と同じく、青森山田(青森)vs野田学園(山口)となった。


−青森山田vs愛工大名電、山田が名電の粘りを力で振り切る−


青森山田、7連覇まであと1勝

 準決勝第1試合は青森山田(青森)と愛工大名電(愛知)が対戦した。両チームは2年前の決勝で対戦しており、そのときは青森山田が横綱相撲で完封勝ちを収めている。
 試合は青森山田のペースで進んだ。トップに起用されたルーキー森薗は元気いっぱいの動きで愛工大名電・清野にぶつかる。第1ゲームを10-0として先行する。第2ゲームは清野がラリーに持ち込んで奪い返すと、第3ゲームは終盤までもつれて8-8に。ここで森薗が連打で押し込んで2対1とすると、このまま振り切って先陣の役割を果たした。
 続く2番、青森山田はエース・丹羽が登場。一方の愛工大名電は今大会成長著しい藤村を投入した。丹羽は勢いに乗るとやっかいな藤村に自由にプレーをさせず、自由自在のプレーで圧倒。貫禄の完封勝利で青森山田が決勝にあと1つとした。
 一気に決めてしまいたい青森山田は丹羽・町のダブルスで締めくくりにかかる。しかし、愛工大名電の共田・加藤が食い下がった。立ち上がりから思い切りよく攻め込んで丹羽・町の動揺を誘う。硬さが見える町が乗り切れず、共田・加藤が第1ゲームを先行する。ベンチで吉田先生にカツを入れられた町がフォアで動きまくって1対1とすると、第3ゲームは9-9から連打を決めて青森山田が勝利に王手をかけた。第4ゲームも丹羽・町のペースで進むが、終盤に共田・加藤が神がかり的な動きを見せて大逆転してゲームオールに追い付いた。これで勢いに乗った共田・加藤。最終ゲームは勢い付いて連続ドライブを打ち込んで丹羽・町を圧倒。奇跡的な金星で後半につなげた。
 2台進行となった後半2試合となり、4番は町vs加藤。ダブルスで硬さが見えた町は加藤の動きに押されて先行される。ここで再び気合いを注入されて動きが甦る。第2ゲームはフォアで押し込むと、第3ゲームはジュースで競り勝って2対1と逆転に成功した。しかし、今日の名電はしつこい。隣の5番で名電の大坂が青森山田の吉田と互角の攻防を繰り広げる中、4番の加藤にもエネルギーがみなぎる。フットワークを生かしてフォアハンドを広角に打ち込んで、ゲームオールに追い付いた。またも追い詰められた町田が、加藤のプレッシャーに押されて4-7と離される。追い込まれた町はフォアハンドしかないと腹をくくって動き回る。ジリジリと追い付いて8-8とすると、ジュースの場面でフォアハンドで力攻めして、粘る加藤を振り切った。
 これで青森山田は15年連続での決勝進出を決め、史上初の7連覇達成まであと1勝に迫った。
 一方の愛工大名電は王者を越えられなかったが、どの選手も豊富な運動量とあふれるファイトで大健闘した。とかくテクニックに走りがちな高校生が多い中、どっしりとした軸を持つ名電の卓球がきらりと光る試合だった。


名電の共田・加藤が一矢報いたが・・・

最後は青森山田の町が競り勝った


−野田学園vs東山、野田学園が2年連続で決勝へ−


野田学園が古豪・東山に打ち勝つ

 準決勝第2試合は野田学園(山口)と東山(京都)が対戦した。
 野田学園はエースの吉村が登場。一方の東山は1年生の宮本を送り込んだ。吉村は捨て身のカウンターで攻め込んでくる宮本の攻撃を丁寧に受け止める。要所でしっかりと攻め返して、貫禄のストレート勝ち。大事な先取点をガッチリキープした。
 続く2番、野田学園は留学生の車耀。東山はエースの大島が登場した。試合は両者とも持ち味のフォアハンドを生かして打撃戦が展開される。第1ゲームは車耀が確実に攻めて競り勝つが、第2ゲームは大島が我慢のラリーで1対1に。第3ゲームは両者譲らぬ打ち合いでジュースにもつれるが、ここでも大島が粘り強く戦って逆転。すると大島がうまい配球で車耀のミスを誘い、東山が1対1の五分に戻した。
 嫌な流れで中盤を迎えた野田学園だが、エースダブルスが流れを断ち切った。吉村・有延は東山の大島・庄のしつこさに苦戦するが、ハイテクニックでポイントを重ねる。第1ゲームをジュースで競り勝つと、第2ゲームも打ち勝ってリードを広げる。続くゲームは動き負けて失うが、第4ゲームはしっかり締めくくって、野田学園が決勝に王手をかけた。
 同時進行の後半戦、4番は有延vs庄。ダブルスに引き続いての対戦は、庄が有延の速攻を柔らかくかわして先行する。しかし台上で先手を取れる有延が優勢を取ると、速さで押し込んで流れを奪い返した。このまま有延が3対1で庄に逆転勝利を収めて、野田学園が野田学園は古豪の東山との打撃戦を制した。
 これで野田学園は、前回の決勝で惜しくも競り負けた青森山田への挑戦権を手にした。


野田学園のエース吉村が先取点

東山は大島がフットワークで得点

野田学園は悪い流れをダブルスが断ち切った


女子学校対抗、決勝は四天王寺と青森山田 〜2年振りの顔合わせ〜


青森山田が4年連続決勝進出

 女子学校対抗は準決勝が行われ、決勝のカードは四天王寺(大阪)vs青森山田(青森)に決定した。


−富田vs四天王寺、四天王寺がミラクル富田をストップ−


四天王寺が2年振りの決勝進出

 準決勝第1試合は富田(岐阜)と四天王寺(大阪)が対戦した。ここまでミラクル連発で勝ち上がって初優勝を目指す富田に対して、3年振りの王座復活を狙う四天王寺が立ちはだかった。
 1番は四天王寺・高橋と富田・荒木のサウスポー対決。試合は動くの速さで上回る高橋が荒木のフォアハンドを封じ、テンポ良く攻める。前陣で小気味よい両ハンドカウンターを決めて見事なストレート勝ちでチームを勢いに乗せた。
 これで流れを掴んだ四天王寺は成本の変化が冴える。富田の留学生・姜にまったくプレーをさせず、カウンター強打をクロスに打ち抜いて、四天王寺が早くも決勝にあと一歩と迫った。
 このまま決めたい四天王寺は松本・松平で締めくくりにかかる。一方の富田は3回戦で明徳義塾を破る流れを作った荒木・大野が登場した。ともに攻撃力のあるペア同士の対戦は互角の打ち合いとなるが、攻撃の精度で上回る四天王寺ペアが第1ゲームを競り勝つ。第2ゲームもジュースにもつれるが、ここでも松本・松平がしっかり戦って2対0と引き離す。第3ゲームも粘る富田ペアの強打をはね返した。  結局、四天王寺がオールストレートで富田に完封勝利を収め、2年振りに決勝進出を決めた。
 富田は四天王寺には及ばなかったが、学校対抗を波乱の渦に巻き込んで大会を大いに盛り上げた。


四天王寺・高橋が動きの良さで快勝

富田の荒木は得意の攻撃を封じられ・・・

四天王寺はダブルスがしっかりと締めた


−青森山田vs正智深谷、青森山田が大逆転勝利−


青森山田、0対2から正智深谷に大逆転

 準決勝第2試合は青森山田(青森)と正智深谷(埼玉)が対戦した。  両チームは昨年の宜野湾インターハイで対戦し、青森山田が完封勝利を収めている。しかし、1年経った今年は予想外の展開が待っていた。
 青森山田は今日の不動のオーダーを配し、トップは丹羽。一方の正智深谷は1年生ながらエース格の平が登場した。試合は平のバックハンドの変化技に丹羽が合わず、第1ゲームを先行される。しかし、丹羽がストレートにドライブを決めて2ゲームを連取して逆転した。このまま丹羽が押し切るのかと思われたが、平が丹羽のミドルをうまく突いて2対2に追い付いた。すると、最終ゲームは丹羽のループを平がカウンターで狙い打ち。要所でブロックがガッチリ止まって、正智深谷がまさかの先取点を挙げた。
 先行された青森山田は留学生の邵が登場。正智深谷はカットの池上が出てきた。試合は息詰まる粘り合いとなる。まったくカットを打てない邵だが、ツッツキ作戦で粘り倒して第1ゲームを先取する。第2ゲームも我慢してツッツキに徹するが、池上が起死回生のフォアハンド攻撃で1対1に戻した。こうなると完全に池上ペースとなり、おもしろいように反撃が決まる。邵はブロックからのカウンターで応戦しようとするが、及び腰になって止めきれない。このまま池上が振り切って、正智深谷が青森山田を0対2と追い詰めた。
 まさかの展開でダブルスを迎えた青森山田だが、ここから本領を発揮した。ダブルスの鈴木・宋が両ハンドドライブで先手を取って田崎・平を圧倒する。勢いが付く戦い方で勝利を収め、後半に襷をつなげた。
 特別ルールで2台同時進行となった後半。一足先に5番の鈴木が力強い両ハンドで田崎のブロックを粉砕。鈴木がストレート勝ちを収めて、隣のコートで進行している4番が試合の勝敗を決めることになった。
 4番の宋vs前滝(初)は1年生対決。裏面攻撃とフォアハンドの威力で勝る宋が試合の流れを有利に進める。厳しいツッツキでチャンスボールを作りだし、前滝を圧倒して2対0と王手をかけた。第3ゲームは前滝の粘りにあってジュースにもつれるが、宋が最後まで攻撃の気持ちを前面に出し、前滝を振り切った。
 青森山田は0対2の苦境からの大逆転で正智深谷を下し、4年連続で決勝進出を決めた。  惜しくも敗れた正智深谷だが、1・2年生主体のチームで3年連続ベスト4入りし、決勝まであと一歩に攻める大健闘を見せた。


正智深谷・平が丹羽に金星で先行

カットの池上が攻守自在で王手

青森山田はダブルスから息を吹き返した

青森山田の宋がズバッと決めた

一足先に鈴木が決めて、青森山田が大逆転



今大会の模様は・・・ 〜卓球レポート10月号に掲載〜

 大会4日目はシングルス1回戦が行われ、目紛しく試合が進行された。
 記録を担当する生徒は次々と届く記録用紙を手分けして整理して、公式記録を整える。


試合結果を黙々と整理

 今大会の詳しい模様は 10月号(9/20発売予定)に掲載予定。

現地取材班:中川学(卓球レポート編集部)、小畑賢二(卓レポビデオ制作室)、兼吉秀洋(バタフライ・ホームページ)