大会報道

2011世界ジュニアバーレーン3日目:11月15日

2011.11.15

<世界ジュニア選手権大会>

■男子団体は中国が6連覇 〜日本は2大会続けての銀メダル〜

連覇の記録を6に伸ばした中国男子

 大会3日目は、3位以下の順位決定戦と男女団体の決勝が行われた。日本は男女とも2年続けて決勝で中国と対戦。男子は昨年のリベンジを、女子は2連覇を目指しての決戦となった。

●林高遠 vs 吉村真晴
 中国はトップにエースの林高遠が登場。対する日本はアジアジュニアチャンピオンの吉村。立ち上がりから声を出してプレーする吉村だが、落ち着いてプレーする林高遠が11-5と第1ゲームを先行。第2ゲームは吉村が1-4と離されたところで早くもタイムアウト。ラリーでも打ち負けない強さを見せた吉村がこのゲームを逆転して1−1とするが、台上バックハンドドライブのレシーブを待たれて強力なカウンター攻撃を食らうなど自分の展開にできない吉村が第3、第4ゲームを落として、中国が1−0でスタート。

●宋鴻遠 vs 丹羽孝希
 2番は昨年の男子シングルスチャンピオンと日本のエース丹羽孝希との対戦。丹羽は随所に才能のきらめきを感じさせるプレーを見せるが、果敢なプレーが裏目に出る場面もあり、パワーで上回る宋鴻遠が11-9で第1ゲームを先行。第2ゲームは、先手を取れない丹羽がカウンタープレーにもミスが出てあっさりと宋鴻遠の2−0。第3ゲームは中盤7-5と丹羽がリードする場面から、逆転を許し丹羽は手痛いストレート負けを喫した。

●鄭培峰 vs 村松雄斗
 後がなくなった日本はここまで好調の村松が登場。中国は今大会が初出場の鄭培峰を投入。序盤から村松のカットの回転量を十分に把握できていない鄭培峰の強打にミスが出て、村松が第1ゲームを11-8としてリード。勢いに乗った村松は、ブツ切りカットでチャンスをつくると、すかさず中陣からのフォアハンドドライブで攻撃。攻撃選手さながらの威力に鄭培峰は受け身になり、第2ゲームも村松。
 第3ゲームも流れに乗る村松がカットと攻撃で優勢のまま進め、10-8とマッチポイントを手にするが、ここから鄭培峰の思い切ったプレーに圧倒され、逆転を許す。第4ゲームは腰を据えてカットでじっくりと守る村松に対して、浮いたボールの回転量を見誤った鄭培峰が連続で強打をミス。11-6とし中国の流れを食い止めた。

●林高遠 vs 丹羽孝希
 エース対決となった4番では、林高遠が序盤から丹羽のフォア側を攻めて優勢に立ち、第1ゲームは11-8で林高遠。丹羽のカウンターに強いフィジカルで対抗する林高遠に調子をつかめない丹羽は集中できない様子で第2ゲームも落とす。第3ゲーム、落ち着きを取り戻した丹羽はテンポの速いプレーで一気に9-1とリードし、このゲームを11-3で取り返す。しかし、ねじを巻き直した林高遠が集中力の高いプレーで丹羽を圧倒。第4ゲームを11-5とし、中国の6連覇を決めた。


■河野監督のコメント
 「村松君が3番でびっくりするくらいのプレーをしてくれたので、収穫はあったと思います。丹羽は去年も簡単にやられてしまいましたが、今年の方がましだったという気がします。吉村君はアジアジュニアで勝ってくれましたが、まだまだ経験も浅いので爆発的なプレーをして中国から1点を取るというのは難しいですね。特に相手のエースと最初に当たって難しいところがありました。去年はもっと簡単にやられたので、今年は手応えがあったかなと思いますが、力の差はまだあると思いますね。
 丹羽君も林高遠や宋鴻遠といい勝負をするように成長させないといけないとは思います。林高遠と宋鴻遠はアンダー18の活躍などを見てもシニアレベルです。まだ丹羽君は17歳でひとつ下なので、吉田君、町君もいるし、今大会で村松君も出てきたので、日本はまだ若いチームなのでまだチャレンジするチャンスはあると思います。
 村松は楽しい、ワクワクするものがありますね。サービスもいいし攻撃をするカットマンなので、今の世界で勝てるようなカットマンになってきていると思います。アジアジュニアで吉村君が優勝したりと楽しみですね。
 (個人戦に臨んで)去年は中国には全然勝てないなと思いましたけど、今年は何とかなるんじゃないかという感じはしています。去年はダブルス優勝できたので、今年もひとつでも金メダルを取りたいと思っています。」


エースの林高遠が鋭い両ハンド攻撃で2点取りの活躍

宋鴻遠は大きなフットワークと強力なフォアハンド

攻撃できるカットマンとして中国に一矢報いた村松

日本は中国の連覇を止められず2年連続の銀メダル


■中国が日本にリベンジ、再び王座に 〜日本はチャンスを生かせず銀メダル〜

昨年の雪辱を晴らし王座に返り咲いた中国

 昨年決勝で日本に敗れた中国の今大会に賭ける意気込みは決勝にくるまでのプレーぶりでもひしひしと伝わってくるものがあった。日本にも流れを変えるチャンスが何度かあったが、そうした気持ちの表れが今回の優勝という結果につながったという側面はあるだろう。

●陳夢 vs 谷岡あゆか
 2年ぶりの出場となった陳夢はパワフルな両ハンドを武器に今大会ではエースの朱雨玲に次いでシングルスで2点起用されている。谷岡は昨年の決勝で趙岩を破り、貴重な1点をたたき出した優勝の立役者だ。
 出だし、谷岡のプレーが固くあっさりと先行を許してしまうが、落ち着きを取り戻した谷岡のカットが安定し始めると陳夢にミスが出始め、谷岡も粘りのカットから攻撃が決まり出し、第2ゲームは谷岡。第3ゲームは4-0とスタートダッシュをかけると、そのままリードを生かして11-6とし逆転。第4ゲームは逆に陳夢に粘りを見せ、4-8と離されたところから、谷岡が集中力の高いプレーで9-9に追いつく。しかしそこから2本連続の攻撃ミスで勝負は最終ゲームへ。序盤でリードした陳夢がそのまま流れをつかんで11-4とし、まずは中国が先制。

●朱雨玲 vs 石川佳純
 昨年の決勝の舞台で日本の優勝を決めたカードの再戦となった。第1ゲーム、朱雨玲のサービスが効いて11-8で朱雨玲。第2ゲームはバッククロスへの回り込み強打が深く決まるなど、石川らしいプレーが出て10-5とリードしたが、そこからまさかの逆転を許してしまい、11-13で0-2の苦境。第3ゲームも石川は調子をつかめないまま4-9とリードを許すが、そこから6-9と迫ると中国は万全のタイムアウト。朱雨玲が押し切って11-6としエース対決を中国が制した。

●顧玉ティン vs 丹羽美里
 今大会、顧玉ティンが3番での起用となっていることからも中国の選手層の厚さがうかがえる。対する丹羽は選考会を好成績で優勝したパワーヒッター。第1ゲームは顧玉ティンが大きく速いフットワークを生かしてフォアハンド強打を決め、11-3と圧倒。第2ゲームは丹羽も顧玉ティンのボールに慣れ始めたが、それでもコースと球威で上回る顧玉ティンが11-8で連取。国際経験が浅い丹羽を圧倒し、中国は再び王座を取り戻した。

■岸監督のコメント
 「中国の方が気迫も感じられましたし、こちらは不安な状況で試合が進んだので、完敗なんじゃないかと思います。ただ、去年は私自身も無我夢中であまり冷静に試合運びなどを飲みこめていなかったのですが、今回は負けはしましたが冷静にいろいろなことを考えながら見ることができて、谷岡にしてもこれくらい通用するんだなということが実感できた部分もあるので、もう一回中国にチャレンジする気持ちが強くなりました。これを意味のある負けにしないといけないと思っています。
 このオーダーはすごく悩みましたが、石川が前半で朱雨玲とやりたいという申し出があったので、あえて相手のオーダーを読んで石川をBにしました。これだと前半を2−0でリードして後半に回る可能性があると考えました。これにはオーダー交換後に中国も困ったなあという風な様子だったので、紙一重のところで谷岡の9-9のところも勝負だったなと思って、悔いが残るところではあります。全体としてそこを切り抜けられなかったのは、中国の方がいい準備をしてきたんじゃないかと強く感じました。
 今回、昨年に比べると中国選手以外のレベルはダウンしていると思います。ですから、中国選手とどう戦うかということだけを考えてやれるんじゃないかと思います。今回そのために混合ダブルスも出場し、コンディションの調整を優先したので、何とか金メダルに近づけるようにやっていきたいと思います」


谷岡のカットに粘り強く食らいついた陳夢

谷岡は2−1のリードを逆転され惜しくも先行ならず

朱雨玲、団体戦敗北のリベンジを果たす

朱雨玲に押し切られた石川

中国は顧玉ティンが3番の磐石の布陣

丹羽はパワフルプレーを発揮できず


今大会の模様は、卓球レポート1月号に掲載

中国の応援団は世界のいたる所に

 今大会の記録は、国際卓球連盟、日本卓球協会のホームページに掲載されています。
 国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com  日本卓球協会 公式HP:http://www.jtta.or.jp
今大会の模様は 1月号(12/20発売予定)に掲載予定。

現地取材班:佐藤孝弘(卓球レポート編集部)