大会報道

平成23年度全日本選手権大会3日目:1月19日

2012.01.19

<全日本卓球選手権大会>

ジュニア男子はベスト4が決定 〜丹羽ら上位が順当勝ち〜

丹羽、男子史上初の3連覇へ

 ジュニア男子は5回戦と準々決勝が行われ、ベスト4が決定した。
 第1シードでジュニア男子史上初の3連覇を狙う丹羽(青森山田高)は、5回戦で後藤(尚志学園高)と対戦。両者はホープス時代に北海道でしのぎを削っており、全日本ではバンビとカブで後藤が優勝し、ホープスを丹羽が制している。二人が全国大会で対戦するのはカブの決勝以来となった。試合は立ち上がりから丹羽がエンジン全開の攻撃で先行する。後藤は持ち前の粘り強さに加えてフルスイングの両ハンドで応戦し、丹羽から1ゲームを奪い返した。しかし、ここから丹羽が再び攻撃モードを展開して後藤を守勢に追い込んで、一気に2ゲームを連取。実に7年越しのリベンジを達成した。
 続く準々決勝は東(エリートアカデミー)をまったく寄せ付けず、4年連続で準決勝進出を決めた。

 第2シードの吉田(青森山田高)は、ラリー戦に強い強豪を連破した。5回戦は吉村(野田学園中)のセンスフルな両ハンドに苦しめられたが、第3ゲーム以降は高い位置取りで主導権を握って押し切った。続く準々決勝はインターハイランカーの田添(希望が丘高)と対戦。吉田は田添の捨て身のフルスイングドライブに押し込まれ、ゲームオールに持ち込まれた。しかし、最終ゲームは立ち上がりから巧みなコース取りで優位に立って、なんとか振り切った。
 第3シードの町(青森山田高)は準々決勝で酒井(エリートアカデミー)の両ハンドカウンターをしっかりとはね返してストレート勝ち。見事に5年連続ベスト4入りを決めた。
 第4シードの村松(エリートアカデミー)は、有延(野田学園高)と大激戦。村松は有延の切れ味鋭い一発ドライブを止めきれず、ゲームオールと苦しめられる。しかし、最後は変化カットで有延の打ちミスを誘って辛くも競り勝った。
 なお、明日の準決勝の組み合わせは、丹羽vs村松、吉田vs町で争われる。


吉田はラリー戦で連勝

町が5年連続準決勝へ

村松は有延との接戦を制す


ジュニア女子は4強決定 〜平野美宇がベスト4入りの快挙〜

谷岡は4回戦で薄氷踏む勝利

 ジュニア女子は5回戦と準々決勝が行われ、ベスト4が決定した。
 第1シードの谷岡(エリートアカデミー/帝京)は、5回戦で永尾(横浜隼人高)に九死に一生を得た。谷岡はサウスポー永尾の長身から繰り出すループドライブに手を焼いて、1・2ゲームともジュースで失った。第3ゲームはぶつ切りカットで奪い返すモノの、第4ゲームは永尾の攻守にミスがなくなって2-6と追い込まれた。しかし、この場面から谷岡が息を吹き返して変化カットで7-6とひっくり返すと、そのまま勢いに乗ってゲームオールに持ち込んだ。こうなると完全に流れが変わって谷岡のベース。最終ゲームは立ち上がりから一気にスパートをかけてラブゲームで熱戦を締めくくった。
 続く準々決勝は大会最年少の伊藤(豊田町卓球スポ少)の挑戦を受けた。谷岡は順調に2ゲームを連取したが、第3ゲームは伊藤の思い切りの良いスマッシュ攻撃を浴びてしまう。これで目が覚めた谷岡は、しっかりと攻守で得点して新星・伊藤を押し切った。
 ≫この一戦から今日のナイスゲームを選出

 昨日の4回戦で第3シードの宋(青森山田高)を打ち砕いた平野(ミキハウスJSC山梨)は、藤原(土佐女子高)と成本(四天王寺高)を連破して、小学生ながらベスト4入りする快挙。
 第4シードの高橋(岩国商業高)は松平(四天王寺高)との1年生対決。試合は立ち上がりからバッククロスで素早い攻防が繰り広げられるが、ボールの鋭さで勝る松平が高橋を防戦に追い込んで3対1で快勝した。
 波乱の第2シードブロックの準々決勝は前田(ミキハウスJSC)vs佐藤(尾札部中)がベスト4の切符を争った。5回戦で森田(エリートアカデミー)を完封した佐藤のカットに対し、前田は丁寧なツッツキからのスマッシュを貫く。終始前田が試合の主導権を握って佐藤にストレート勝ちし、準決勝進出を決めた。
 これで明日の準決勝は、谷岡vs松平、前田vs平野で争われることとなった。


美宇ちゃんが小学5年生で4強入り

松平が高橋との高速戦を制す

前田は苦手のカットを攻略


小学5年生の平野美宇がベスト4 〜伊藤美誠も8強入り〜

美宇ちゃん、見事に4強入り

 次世代の活躍を期待させる小学5年生の二人が今日も猛威をふるった。
 平野美宇(ミキハウスJSC山梨)は5回戦で藤原(土佐女子高)と息詰まる熱戦を繰り広げた。立ち上がりから息もつかせぬ速攻合戦となり、まったく互角の展開で2対2に。最終ゲームも両者譲らぬ展開でジュースにもつれたが、最後まで粘り切った平野が熱戦を制してベスト8に勝ち進んだ。
 続く準々決勝、メダルをかけて成本(四天王寺高)に挑戦した。平野は成本の左からの変化プレーをしっかりと見極めて得意の打ち合いにも落ち込む。第1ゲームを11-9で競り勝つと、このままビシバシと両ハンド攻撃を決めて成本を圧倒。見事なストレート勝ちでベスト4入りの快挙を達成した。


素晴らしい攻撃で高校生を連破


 大会最年少の伊藤(豊田町卓球スポ少)が5回戦で衝撃的なプレーを見せて会場を沸かせた。伊藤はインターハイ女王の鈴木(青森山田高)に対して、ナックル気味のバックハンド強打で押し込んで先行する。第2ゲームは鈴木が落ち着いて攻撃を仕掛けて取り返すが、第3ゲームから伊藤のプレーが冴えわたる。両クロスに厳しく打ち込んで鈴木を防戦に追い込むと、要所でバシッと鋭いフォアハンド強打を決める。鈴木は気持ちで押されて盛り返せない。このまま一気に伊藤が攻め込んで、高校チャンピオンに3対1で勝利を収めた。
 続く準々決勝は谷岡の変化カットに破れたが、小学5年生ながらベスト8入りする快進撃で、平野と並ぶ好成績を収めた。


美誠ちゃんが高校女王を圧倒

鈴木はまさかの防戦に・・・

惜しくも準々決勝で谷岡に敗れた


混合ダブルスはベスト4が決定 〜全ペアが初優勝のチャンス〜

石川と吉村がキッチリと4強入り

 混合ダブルスは準々決勝が行われ、ベスト4が出そろった。
 初優勝を狙う吉村・石川(野田学園高・全農)は、第1シードの瀬山・坂本を下した久住・鈴木(専修大・札幌大谷高)と対戦した。吉村・石川は久住の思い切りと鈴木に堅実なプレーに手を焼いたが、要所でしっかりと攻撃を決めて3対1で振り切った。
 関係筋の中で優勝候補の呼び声が高い松平・若宮(青森大・日本生命)は、尾留川・土田(明徳義塾高)に対して終始先手を取って攻めきって、余裕の完封勝利。
 昨日、第2シードの阿部兄妹を下した上田・鈴木(青森大・青森山田高)は前回ベスト8の吉田・小西(OVERLIGHT)と一進一退の攻防を繰り広げた。先に吉田・小西の夫婦ペアが王手をかけたが、二人共が攻撃的なプレーを展開した上田・鈴木が盛り返して、逆転でベスト4入りを決めた。
 藤本・平野(近畿大・ミキハウス)と大矢・森薗(東京アート・日立化成)の一戦は、全日本社会人の男子ダブルスを制している大矢が厳しい台上プレーで攻め込んで、森薗のスマッシュにつなげて見事なストレート勝ちを収めた。


若宮と賢二の世界8強コンビが順当勝ち

上田・鈴木は吉田・小西に競り勝つ

大矢・森薗は藤本・平野を圧倒


女子シングルス、いよいよスーパーシードの出番 〜石川、福原らが登場〜

石川が2連覇への道をスタート

 女子シングルスは2〜4回戦が行われ、スーパーシードの選手が続々と登場した。  2連覇を狙う第1シードの石川(全農)の初戦は小室(新星クラブ)の挑戦を受けた。石川は緊張するそぶりも見せず、持ち前のシャープなドライブで小室を圧倒。しっかりとストレート勝ちする好スタートを切った。
 悲願の初優勝を目指す第3シードの福原(ANA)は、昨年のジュニアチャンピオン・三宅(就実高)と対戦した。ジャパントップ12で三宅に苦しめられた福原は硬さが見える。福原のバックハンドを苦にしない三宅に広角に打ち返えされて、第1ゲームを先行された。これで目が覚めた福原は、第2ゲームからフォアハンドを織り交ぜる展開で主導権を握ると、一気に4ゲームを連取して快勝した。
 前回準優勝で第2シードの藤井(日本生命)は、森(えひめTTC)の早いつなぎをライジングカウンターで抜き去って完封勝利。
 第4シードの森薗(日立化成)は、河村(アスモ)の粘り強い攻守を打ち抜いて4対1で快勝した。


愛ちゃんは悲願の頂点へ好発進

藤井はライジングで圧倒

森薗は強打を決めて快勝


 全日本学生王者の松澤(淑徳大)は、青森山田高の先輩・杉本(サンリツ)を力強い両ハンドドライブで圧倒。
 インターハイチャンピオンの鈴木(青森山田高)は、全国中学2位の徳永(ミキハウスJSC)の柔らかいプレーに先行を許したが、第2ゲームからは距離感を掴んでパワーで押し切った。
 そのほか、ロンドンオリンピックの大陸予選に出場を決めている平野(ミキハウス)、全日本社会人準優勝の田代(日本生命)らが順当に勝ち進んだ。


松澤は先輩を力で圧倒

鈴木はパワーで押し切った


 ジュニアを沸かせる小学生たちがシングルスでも健闘した。
 平野(ミキハウスJSC山梨)は、2回戦で森(青森山田高)のドライブに苦戦したが、最終ゲームに攻め込んで3回戦に進出。
 続く相手はパワードライブが持ち味の大庭(淑徳大)。平野は高速プレーでパワーに対抗して1対1とするが、ここから徐々に大庭の力強いプレーに押され始める。懸命のライジングにもミスが出始めて、1対3で惜敗した。
 女子シングルス最年少の伊藤(豊田町卓球スポ少)は、3回戦で全日本学生ダブルス王者の池田(東京富士大)に挑んだ。両者とも前陣を死守した高速バトルでゲームオールに。最終ゲームは伊藤が思いきり良く攻めて6-2とするが、池田のドライブがネットインしてリズムが変わる。伊藤は一瞬の隙を突かれて一気にポイントを連取され、無念の逆転負けを喫した。
 一方、ホープスチャンピオンの加藤(TKOクラブ)が快進撃を見せた。2回戦で全国中学ベスト4の粟屋(就実中)に競り勝つと、勢いに乗ってスーパーシードの伊積(東京富士大)を4対1で打ち下す大健闘。明日の5回戦で女王・石川に挑戦することになった。


美宇ちゃんは大庭に及ばず

美誠ちゃん、無念の涙・・・

ホープス王者の加藤、明日は石川戦


最年少と最年長は明暗別れる 〜最年少の出雲が快進撃〜

男子シングルスで出雲が初の小学生勝利

 男女シングルスに最年少と最年長の選手が出場した。
 男子の最年少は、出雲卓斗(鳥屋クラブジュニア)ホープスチャンピオンの実績を持つ出雲は難関の石川県予選を通過して東京体育館にたどり着いた。
 注目の1回戦、出雲はサウスポー・新山(尽誠学園高)のドライブに対して、怯まず前陣で打ち返す。日頃、遊学館高で鍛え上げられているだけあって新山の攻撃をまったく苦にせず打ち返す。出雲は会心の完封勝利を挙げ、史上初めて男子シングルスで小学生が勝利を収めた。
 続く2回戦は後藤(日本大)の攻守に1対2と追い込まれたが、ここから攻めの気持ちを貫いて見事に逆転勝ち。
 出雲は明日の3回戦で、元全日本学生2位の森下(リコー)に挑戦する。

 シングルスの最年長は、西村雅裕(FEVER)と山本真理(オークワ)。
 西村は1回戦で強豪の高木和健一(個人)から1ゲームを奪う健闘を見せるも、1対3で惜敗した。
 日本リーグで活躍する山本は、カットの佐藤(就実高)と対戦。丁寧に粘って1対1としたが、第3ゲームをジュースで競り負けたのが響き、勝機を逃した。


西村は高木和兄に肉薄

山本は丁寧な攻めも及ばず


今大会の模様は、卓球レポート3月号に掲載

注目選手のコートにカメラが大集結

 今年の全日本は連日のジュニア選手の大活躍に加え、今日からはロンドンオリンピック代表が登場することから、多くのマスコミが大挙して訪れた。
 注目の選手が登場する3、4、18、19のコートには、入れ代わり立ち代わりでマスメディアのテレビカメラやスチールカメラ、取材記者などでごった返した。

 今大会の模様は 3月号(2/20発売予定)に掲載予定。