大会報道

ジャパン・オープン肢体不自由者選手権大会 〜車いすの岡紀彦、25連覇!! 〜

2012.03.12

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 3月10〜11日、大阪市舞洲障害者スポーツセンター(アミティ舞洲)で第32回ジャパン・オープン肢体不自由者選手権大会が行われた。この大会は障害の程度によるクラス分けを行わずに、立位の部の日本一、車いすの部の日本一を決定する、いわば無差別級の大会だ。全国から多くの強豪選手たちが集い、日本一の座をめぐって熱戦を繰り広げた。

車いすの岡紀彦、25連覇

 車いす男子の部では、歴史的な大記録が生まれた。岡紀彦(岡山)が何と25連覇を達成。25年連続で出場することすら並大抵ではないが、25年連続で優勝という記録は、偉業としか言いようがない。
 これまでの連覇が物語るように高い実力を有す岡だが、今大会の優勝は決して簡単なものではなかった。準々決勝の中出将男(大阪)戦ではゲームカウント1対2とリードを奪われ、ゲーム内容も相手ペースとなる苦しい展開から逆転。準決勝では、昨年11月のクラス別の大会で好試合を繰り広げた藤井和彦(東京)に勝利。決勝では、初優勝を狙い気迫のプレーで勝ち上がってきた吉田信一(東京/独立行政法人 情報通信研究機構)を退けた。優勝を決めた瞬間、岡は常には見せないガッツポーズを見せた。岡には珍しい大きなガッツポーズ。それは、苦しい戦いを乗り切った歓喜が、我知らずわき上がったのだろう。
 実は、今大会直前、岡はあるアクシデントに見舞われていた。それは、大会への出場すら危ぶまれるようなアクシデントだった。一方、もう1人のファイナリストである吉田も、ある事情を抱えながらの大会出場だった。(詳しくは卓球レポート5月号を)

 車いす女子の部は、別所キミヱ(香川)が優勝。昨年敗れた藤原佐登子(愛知)にリベンジを果たし、2年ぶり5度目のチャンピオンとなった。
 立位男子の部は垣田斉明(熊本/南九州コカ・コーラボトリング)が2年ぶり4度目の優勝。前回は出場しなかった垣田が力を見せつけた。垣田と決勝を戦ったのは前回優勝の岩渕幸洋(東京)。積極的に攻めて垣田を押すシーンも多かった。なお、岩渕は個人戦の決勝では敗れたものの、翌日の団体戦では垣田を下す殊勲を挙げた。
 立位女子の部は工藤恭子(熊本)が5連覇を達成。通算優勝回数は9となり、同種目における最多優勝記録を樹立した。2位は宮内富士子(埼玉)。力強い攻撃で決勝へと勝ち進んだ。

 団体戦では、車いす混成の部で東京A(吉田信一・宇津木孝章・長島秀明、柳亮助)が、立位男子の部でレスポアール(渡邉紳一郎・本多利行・鈴木伸幸・松山順一)が、立位女子の部で九州障害者卓球連盟A(櫨山多津江・小田美賀子・工藤恭子)が優勝を遂げた。

[上位の結果]
■個人戦・車いす男子の部
優勝 岡紀彦(岡山)
2位 吉田信一(東京)
3位 藤井和彦(東京)
3位 宇津木孝章(東京)

■個人戦・車いす女子の部
優勝 別所キミヱ(香川)
2位 藤原佐登子(愛知)
3位 藤森亜利砂(神奈川)
3位 石橋栄(大阪)

■個人戦・立位男子の部
優勝 垣田斉明(熊本)
2位 岩渕幸洋(東京)
3位 本多利行(愛知)
3位 鈴木伸幸(愛知)

■個人戦・立位女子の部
優勝 工藤恭子(熊本)
2位 宮内富士子(埼玉)
3位 吉開早苗(福岡)
3位 石河恵美(神奈川)

■団体戦・車いす混成の部
優勝 東京A(吉田・宇津木・長島、柳)
2位 東京B(藤井・佐藤・大塚・三浦)
3位 香川県光卓友会(皆見・鍋坂・東条・別所)
3位 岡山旭卓友会A(阿部・岡・野稲)

■団体戦・立位男子の部
優勝 レスポアール(渡邉・本多・鈴木・松山)
2位 東京A(武田・佐藤・岩渕)
3位 九州障害者卓球連盟(立石・田鍋・垣田)
3位 埼玉親久会(安立・金子・柴崎)

■団体戦・立位女子の部
優勝 九州障害者卓球連盟A(櫨山・小田・工藤)
2位 ラポール卓友会(石河・中野・宮内)
3位 青い空四国(和田・藤岡・三好)
3位 長居卓友会L(伊藤・高木・仁枝・西井)


個人戦・車いす男子の部入賞者

個人戦・車いす女子の部入賞者

個人戦・立位男子の部入賞者

個人戦・立位女子の部入賞者

団体戦・車いす混成の部優勝の東京A

団体戦・立位男子の部優勝のレスポアール

団体戦・立位女子の部優勝の九州障害者卓球連盟

大会は中出による選手宣誓でスタートした

大阪卓球協会の長年にわたる開催協力に対し、日本肢体不自由者卓球協会より感謝状と記念品が贈られた

大会を支えた役員とボランティアのみなさん


 なお、今大会の模様は卓球レポート5月号(4/20発売)に掲載予定。
 現地取材班:川合綾子(卓球レポート編集部)