大会報道

インターハイ三冠王渋谷浩が見た北九州大会<3> 男女学校対抗決勝

2013.08.01

<インターハイ>

ih-shibutani.jpg男子学校対抗の決勝はずっと見続けていたいと思うくらい近年まれに見るいい試合でした。トップの及川と田添響の試合は、及川が前陣に付いて田添が中陣からチャンスをうかがって強打で盛り返すという展開になりました。お互いの集中力がピークの状態で双方ともよく頑張ったと思います。普通なら飛びつけないボールも飛びついて、しかも打ち返すなど、ナイスプレーが続出の試合でした。結果的には最後までミス待ちせず攻めた田添が押し切ったといえるでしょう。
2番の森薗対田添健汰は、森薗が速攻を仕掛けて田添にまともに試合をさせませんでした。ようやく田添がなんとかしようと思ったときにはもう遅かったですね。森薗はラブオールから全開でした。2番の試合の入り方はトップの試合内容にも左右されるところがあるので、ウォーミングアップの持って行き方などの面で森薗と田添の出来に差が出たのかもしれません。
青森山田は2番の流れを引き継いで、昨日の男子ダブルスの決勝とは見違えるような戦い方でした。打ち合いになることを避けながらも、スケールが小さくならないようにいろいろな技術を使っていました。無理な強打もせずに非常に丁寧にプレーしていました。希望が丘ペアも何とかしようとしている様子は見て取れましたが、あれよあれよという間に終わってしまったという感じではないでしょうか。
4番の坪井は定松のパワーに圧倒されました。体格の差、フィジカルの差が大きかったですね。
ラストは上村は三部に対してどれだけ多く強いボールを厳しいコースに打てるかということを考えてサービス、レシーブを組み立てていました。かたや、三部の方は打ち合いになったら押し切られるというのはわかっていたので、前でブロックやカウンターをしたり、後陣でしのいだりなどプレー位置を変えたり、多彩な技を駆使して上村の球威を食い止めようと必死だったと思います。そんな三部に対して上村は最後まで両ハンドで強いボールを浴びせる自分のプレーを貫き通しました。途中から三部は自分が何をしてポイントをとっているのかわからなくなっていたのではないでしょうか。上村のミスで得点はしていましたが、競った場面で「こういうプレーで得点しよう」という柱がなかったと思います。最後まで戦術がまとまりませんでした。
優勝した希望が丘はあらゆるチームを比較してずば抜けてパワーがありました。あと特筆すべきは球際の強さです。三部や及川は技術があるのでドライブにも変化をつけていましたが、希望が丘の選手は抜けたかと思うようなボールもしっかりと引き返していました。これは普段厳しい練習やトレーニングをやっていないとできないプレーです。この「球際の強さ」は非常に強い武器になっていました。

青森山田は1年生が団体戦決勝で3ポイント使われていた若いチームなので、来年以降の巻き返しを期待できるでしょう。

女子の決勝は青森山田は宋が2点取って勝負に持ち込むというつもりだったと思いますが、トップで宋のライジングをとらえて回転をかけていくボールを芝田が中陣から盛り返していきました。非常にパワーのある選手です。この宋の負けが結局勝負を決めてしまいました。
2番の相原は最後まで阿部のバック面のラバーの球質に対応することができずにミスを繰り返してしまいました。
ダブルスは青森山田の優勝ペアが実力を発揮できたので予想通りの結果といえると思います。
4番は序盤で松平のボールにタイミングの合う安藤のスマッシュがよく決まりました。途中からは松平は連続攻撃をしかけて安藤を崩して逆転しました。
青森山田にも優勝のチャンスはありましたが、トップでエースの宋が敗れたのが最も大きな誤算だったのではないでしょうか。


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渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
第52回インターハイ名古屋大会(1983年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス2位、男子ダブルス優勝
第53回インターハイ横手大会(1984年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝
第54回インターハイ鶴来・野々市大会(1985年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝

 




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平成25年度全国高等学校総合体育大会:http://www.fukuoka-koutairen.com/2013ih/
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今大会の模様は卓球レポート9月号(8/20発売)、および10月号(9/20発売)に掲載。