大会報道

元王者が全日本を語る「渋谷浩の眼」 ①全日本とはどのような大会か?

2014.01.14

<全日本卓球選手権大会>

1月14〜19日、東京体育館で平成25年度全日本選手権大会(一般・ジュニアの部)がいよいよ始まった。今年は昨年の世界卓球2013パリにつづき、平成11年度全日本チャンピオンの渋谷浩が会場から、試合の様子をプロの視点でお伝えする「渋谷浩の眼」を掲載していく。試合に先立って、「全日本」とはどのような大会なのか、また、観戦のポイントなどを語った。

全日本は1年の集大成。力を試す場ではない

全日本選手権大会がほかの国内の大会と大きく異なるのは、自分の力を試す大会ではなく、そこで自分の力を出し切る「1年の集大成」だということです。天皇杯、皇后杯という権威に加え、日本中の卓球ファン、また卓球ファン以外の観客からも注目を浴びる大会なので、選手たちは最高のプレー、最高のパフォーマンスを見せたいと思って出場していることでしょう。結果的には、全日本での経験が成長の糧になる、次なるステップへの足がかりになるということはありますが、出場する選手は、そこで燃え尽きてもいいというくらいに集中して臨んでくると思います。それだけに見応えのある大会になるといえるでしょう。

20140114-01.jpgこれは今でも変わらないと思いますが、私の選手時代には組み合わせが決まったら、対戦相手を想定した練習をメインで行いました。私が優勝した年は、カットに対してワイドにドライブ攻撃をしてくる帰化選手との対戦が予想されたので、卓球台2台でのフットワーク練習を行いました。もちろんそうした練習だけをしていたわけではありませんが、平凡な練習をしていては、平凡なプレー、平凡な負け方しかできません。常識を超えたプレーは常識を超えた練習からしか生まれないという思いで、さまざまな挑戦をしました。
私はオリンピック代表になったり世界選手権大会でメダルを獲得するなど、既に国際舞台では結果を残していたので、全日本が最後の目標というところがありました。
選手のレベルやキャリアによって変わってくる部分だとは思いますが、ランク(ベスト16)入り、そして優勝というのは多くの卓球選手にとって大きな目標になっていることでしょう。

観戦の見どころ
全日本ではほかの大会にはない緊張感があります。選手のメンタルや会場の雰囲気など、さまざまな要素から、数々の劇的な逆転勝ちや名勝負のドラマが生まれてきました。私も経験しましたが、全日本では1球で試合の流れが変わるということがしばしばあります。全日本独特の緊張感、観客の応援などで、「会場が流れをつくる」とでも言えばいいのでしょうか。そうしたところから選手の努力だけでは生み出せないような感動が生まれるのだと思います。

また、会場で観戦する方には、選手の仕草や表情、息づかいなど、プレー以外の点にも注目してほしいと思います。ハイレベルなプレーを見ているだけでも十分楽しめるかもしれませんが、選手も人間なので、緊張で動きが硬くなったり、プレーが単調になったりということがあります。選手によって試合への臨み方も違います。ガッツを前面に出してプレーする選手もいれば、つとめて冷静にプレーしようとする選手もいるでしょう。特に全日本ではそのような側面が顕著にあらわれます。そうした点に注目して勝負の動向を見ると、より深い卓球の魅力が味わえるかもしれません。


記録・タイムテーブル等の情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp

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全日本選手権大会の特集は卓球レポート3月号(2月20日発売号)に掲載します。