大会報道

世界卓球2014東京大会6日目⑥ 【女子団体】日本、激戦を制してメダル確定

2014.05.03

<世界卓球選手権大会>

JA全農世界卓球東京2014東京大会(4月28日〜5月5日)5日目の5月2日は決勝トーナメントの準々決勝6試合が行われる。16時から行われた女子準々決勝の中国対朝鮮民主主義人民共和国戦で、中国が予選グループリーグに続いて朝鮮民主主義人民共和国を破り、連覇に向けて準決勝に駒を進めた。
 

トップで平野が先制点

エースのリ・ジャオは石川と平野から2点を挙げる活躍

石垣は促進ルールでリ・ジエを撃破

ラストの石川、地元の応援を背に意地の勝利

2大会ぶりに日本がベスト4に復活

<女子団体準々決勝>
 日本 3−2 オランダ

○平野 7,8,-9,5 エアランド
 石川 9,-8,-9,7,-10 リ・ジャオ○
○石垣 -8,6,8,9 リ・ジエ
 平野 9,-10,-3,4,-7 リ・ジャオ
○石川 8,7,-8,-9,6 エアランド

予選グループリーグの試合をすべて3対0で終えてきた日本にとって、6戦目にして初めての苦しい戦いとなったメダル決定戦。日本チームは地元の応援を背に、くじけそうなところを何度も立て直してメダル獲得に向かって邁進し、その目標にこぎ着けた。
決勝トーナメント1回戦で台湾を破ったオランダは、左ペンドライブ型のリ・ジャオ、カット主戦型のリ・ジエという2人の帰化選手を柱に、エアランドという右シェーク攻撃型の選手を3番手に戦ってきたチーム。日本はこれにあわせてカットのリ・ジエから2点、3番のエアランドから1点という計算でオーダーを組んだが、村上監督が語るように、オランダは非常に勇気ある、勝負のオーダーを組んできた。あえて、3番手を2点起用にして、リ・ジャオの2点と3番のカット対決での1点で勝つという背水の陣を敷いてきたのだ。

勝ちを計算していないとはいえ、トップのエアランドはこれまで6戦全勝の選手だ。韓国の石賀浄や台湾の陳思羽ら、格上の選手をも破ってここまで来ている。しかし、平野は攻撃の精度が欠けるエアランドに対して無理して攻めずにミスを誘い、2ゲームを連取。威力のあるボールに押される場面もあったが、最後まで落ち着いてプレーした平野が危なげなく先制し1点目を挙げた。

2番はエース対決。ここで1点を追加すれば、日本はかなり有利になる。鉄壁のバックハンドショートでここまで勝ち上がってきた41歳のベテラン、リ・ジャオだが、守備だけでは石川を崩せないと考えたのか、ロングサービスからの回り込み3球目攻撃など序盤から攻撃的なプレーを仕掛けてきた。しかし、動きのよさでは石川も得意のサービスからの3球目攻撃を決めて第1ゲームを先制。石川はリ・ジャオの非常に切れたツッツキレシーブに対して攻撃的なボールを打てずに手を焼き、得意のショートで振り回すプレーなどでリ・ジャオが2ゲーム連取。ラリーで崩すのは苦しい石川は速攻で4ゲーム目を取り、最終ゲームに。石川は攻めの姿勢を崩さずに、10-8とマッチポイントを握るが、ここで痛恨の三球目攻撃ミス。リ・ジャオが石川の連続攻撃をことごとく跳ね返し、逆転勝ちを収めた。

悔しい失点だが、あとには引きずりたくない日本。3番のカット対決は序盤から石垣が浮いたボールをスマッシュミスしてリ・ジエがリード。お互いに無理して攻めずにツッツキ合いになると、3-7から促進ルールが適用され、リ・ジエのミスが増え始める。第1ゲームはリ・ジエに逃げ切られるも、第2ゲームはミスの多いリ・ジエに対して落ち着いてプレーした石垣が取り返しタイに。自分がサービスを持ったときにも、石垣はあせらずにじっくりと攻略して、第3ゲームも連取。第4ゲーム、お互いに息の詰まるような攻防の末に、マッチポイントを握った石垣が、リ・ジエのミドルにスマッシュを決めて、オランダの目論見を覆した。

2対1とリードした日本は楽にはなったが、もう1点取らなければ勝つことはできない。4番の平野はバック側へのサービスからの展開で、リ・ジャオを崩し、ここでも無理に攻めずに先制。しかし、フォア側に振ってからもチャンスボールを攻めないなどやや消極的なプレーも見られた平野が、第2、第3ゲームを落とす。ここから攻撃的なプレーを取り戻した平野がフットワークを使ったフォアの連続攻撃など平野らしいプレーを見せて流れを取り戻し、最終ゲームへ。しかし、やはり、バック側へのボールに対しては自信を持ってショートで振り回すリ・ジャオに対して最後まで崩せずに、平野が老かいなプレーに屈する形となった。

ラストまで回ってはしまったが、エアランドの世界ランキングは100位。普通に考えれば、世界ランキング9位の石川が実力を発揮しさえすれば勝つことは難しくないはずだ。そうした考え通り、やや固さは見られたものの、石川が両ハンド攻撃でワイドに攻めて2ゲームを連取。第3ゲームで決めるかと思われたが、8-8から開き直ったエアランドの好プレーに出て、石川の集中が途切れる。第4ゲームも後がないエアランドは思い切り攻めて、消極的になった石川に対して優勢に。最終ゲームにもつれ、自信を失った石川は0-3と苦しいスタート。しかし、ラリーでポイントを取り1-4から自信を取り戻したという言葉の通りに、石川は徐々に点差を詰めて6-6と追いつくと、ここから集中したプレーで5点連取し、日本の準決勝進出、2大会ぶりのメダル獲得を決めた。

■村上恭和監督のコメント
オランダは石垣の3番を見抜いてカットのリ・ジエ選手を使ってくるというすごい勇気がいるオーダーで来ました。1番強いくらいの選手を3番手に使って、エアランドが2点を失い、リ・ジャオ選手が絶対に2点を取って、リ・ジエで勝とうという本当に一か八かのオーダーですね。そういう可能性もあるとは思ったけど、この大会でそれをやられるとは思いませんでした。オーダーでは完全に負けました。
石垣が頑張ってくれました。石垣はリ・ジエに3月のドイツオープンで1対4で負けていますから、その反省を生かして、フォアの高いボールを絶対に打つなと言うことで、それができたから勝てた。
石川は、試合内容は作戦通りでよかった。接戦になるのはわかっていたけど、最後10-8でサービスを持って絶好球を2回ミスしたのでそれは大きな課題です。一流選手はああいうボールを絶対にミスしません。最後のエアランド選手戦のタイムアウトでは0-3ですから、開き直って自分のプレーをしようとしか言えません。作戦は言えませんね。
この組み合わせでは決勝まで行かないとという思いがあるので、決勝まで行って中国とやりたいですね。今日のいい緊張を味わって選手も集中力を研ぎ澄まされたと思います。ずっと3対0で勝ってきたので甘かったところはあったんじゃないでしょうか。明日からもいい試合ができると思います。
香港戦はオーダーを読まれないように、僕があまりしゃべらないようにします(笑)。

■石川佳純選手のコメント
リ・ジャオ戦は最後リードして負けたのでかなり悔しかったです。リ・ジャオ選手に当たる予定で準備してきたので、悔しかったんですが、5番に回ってくる可能性もあったので、5番で負けてしまった2年前のドルトムント大会(の韓国戦)のリベンジはしようと思っていました。
最後は、負けたらどうしようというのが頭の中にありましたが、その思いを全部捨てて、チームのみんながくれた5番目なので、絶対に最後まであきらめないで戦おうと考えていました。
2年前よりは精神面がよくなったと思います。2番で負けてしまって、すごくあせってしまったので、短い時間ですが、気持ちを切り替えて5番で自分らしい試合をしようと思ったし、最後まで絶対に粘ろうと思いました。
最後は自分との戦いでした。最終ゲームで0-3とリードされましたが、1-4から急に自信がわいてきて自分らしいプレーができました。チームワークがいいので、みんなで戦っているという気持ちでした。あの声援もなかったら負けていたと思います。とても力になりました。

■石垣優香選手のコメント
今日はみんなで勝ち取った勝利なので本当にうれしかったです。予想と違ったオーダーで最初は戸惑ってしまいましたが、絶対に勝ちたいという気持ちが大きかったので、気持ちの面で自分の方が上だったんだと思います。
リ・ジエ選手には最近のドイツオープンで負けていて、そのときに自分が促進に持ち込んで負けてしまったので、最初は促進ルールに入らないようにしようと思っていましたが、自分の攻撃が入らなかったので、試合の中でやはり促進ルールに持って行こうと思ってプレーしました。促進になってもあまり勝ったことはありませんでしたが、自信を持って今まで練習してきたことを全部だそうと思ったし、たくさんの方に応援したいただいたのでそれが自分の力になりました。
日本で試合をしたからかもしれませんが、最初から自分はこの会場だったら勝てると思ってやっていましたし、相手もちょっとアウエーで以前対戦したときよりは弱気だったんじゃないかと思います。
福原さんの欠場が決まってから準備はしていたので、それからは1日1日がこの大会に向けての練習だったので、それが良い方向につながったんじゃないかと思います。
オーダーが3番と決まったときから相手が誰であろうと向かっていって勝とうと思っていました。自分の中であんなにガッツポーズをしたのも初めてだし、1球1球に魂が込められたんじゃないかと自分では思います。


 

今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)・7月号(6月20日)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
JA全農2014年世界卓球団体選手権東京大会/公式サイト:
http://www.2014wtttc.com
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2014東京:
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2278&category=WTTC