大会報道

インターハイ三冠王渋谷浩が見た大津大会<2> 女子学校対抗決勝

2015.08.12

<インターハイ>

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 決勝の芝田対木村の一戦は、木村がピッチの早いバックハンドで芝田を左右に振り回しました、特に芝田のフォア側を突いて、とにかく芝田のフットワークを止めようとするプレーが目立ちました。

 しかし、芝田は木村の戦術に対して対応力の高さを見せて、距離をとってバックハンドでしのぎながらプレーしていました。

 そのような展開が続く中で、木村のフォア側をフォアハンドで打ち抜くパターンが光りました。芝田のフォアハンドドライブは体の開きが遅いため、逆モーション気味に、フォア側に打つことができます。そうした自身の特長を生かしたフォアハンドドライブが要所で決まったのが大きかったです。相手から見ると、バックに打つようなフォームのため、対応しにくいです。また、フォアハンドドライブという決め球があるので、木村のバック側にフォアハンドでゆるくつなぐボールも効果的で、木村はそのボールの処理に苦しんでいました。

 芝田のように女子選手でフォアハンドドライブをあれだけフォアクロスに引っ張ることができる選手は少ないので、非常に魅力的なプレーをする選手だと思いました。

 対する木村は、序盤は自分の思うような展開でプレーできていたと思うのですが、中盤以降は芝田のゆるくつないだボールにうまく対応することができず、試合の流れを呼び戻すことができませんでした。

 2番は橋本の総合力の高さが光りました。ドライブなどで自分から攻撃して点を取ることができたので、カットをするときも相手に落ち着いて打たせず、皆川にプレッシャーをかけていました。皆川としてはカットをつなぐと打たれるし、無理して打つとミスをしてしまうという形になり、自分のペースでプレーすることができませんでした。

 また、橋本は昨年の学校対抗の決勝に出場したときよりも、攻撃力が高くなりました。加えて、いろいろな技術を組み合わせたプレーができるようになっている点も昨年からの進化だと思います。カット主戦型の選手はたくさんの技術を覚えると、打球する際に選択肢が増え、プレーがまとまらないということがあるのですが、そのような迷いもなかったので、カット主戦型として、段階を踏んで成長していると思います。。

 ダブルスでは三條/梅村のバック面の異質ラバーを駆使したプレーが光りました。山陽女子ペアを前後に揺さぶり、試合の主導権を握り、安定した戦いぶりを見せました。

 これで四天王寺は3年連続20回目の優勝ですが、王者を守るという意識ではなく、挑戦者という気持ちを持ち続けているからこそ、チャンピオンに君臨し続けているのだと思います。山陽女子は枝松、木村の2人を中心に、ミスの少ない丁寧なプレーが目に留まりました。1、2年生も多くいるため、来年以降も注目の学校ですね。

 このほか、準決勝敗退となりましたが、正智深谷はチームとしてのまとまりを感じました。普段の指導や与えられた環境で精一杯に練習しているという背景が垣間見えました。近年はインターハイで上位に進出することも多いので、今後も注目を集めるチームとなるでしょう。同じくベスト4の希望が丘は、昨年、チームを引っ張ったエースの前田、德永らの卒業は、大きな戦力ダウンだったと思いますが、それでも4強入りを果たすあたりはさすがですね。チームとしての底力を感じました。

 今大会では準決勝、決勝を含め、多くの1年生が出場していましたが、この舞台で戦うことができた選手は非常に大きな経験を積むことができたと思います。インターハイならではの独特の緊張感などは試合に出場しなければ味わうことができません。だからこそ、今回出場した1、2年生にはこの夏の戦いを来年以降に生かしてほしいですね。


渋谷浩
平成11年度全日本チャンピオン
第52回インターハイ名古屋大会(1983年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス2位、男子ダブルス優勝
第53回インターハイ横手大会(1984年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝
第54回インターハイ鶴来・野々市大会(1985年)
学校対抗優勝(熊谷商業)、男子シングルス優勝、男子ダブルス優勝

 




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