大会報道

全日本卓球2016 ジュニア男女準々決勝 〜元王者が全日本を語る「渋谷浩の眼」〜

2016.01.13

<全日本卓球選手権大会>

今日から東京体育館で開催されている平成27年度全日本選手権大会(一般・ジュニアの部)。4回戦〜準々決勝までが行われたジュニア男女の戦評と、明日行われる準決勝、決勝の展望を元全日本王者の渋谷浩が語った。

<ジュニア男子準々決勝>
 張本(仙台ジュニアクラブ)が序盤は高い打球点で3球目攻撃で攻めて、それに沼村(野田学園高)が対応できませんでしたが、中盤からは打たれるのを覚悟した沼村が、中陣に下がってラリーに持ち込み、競り合いになりました。
 沼村は、張本の台上プレーからの速い攻めに分が悪かったので、失点をいかに防ぐかという戦術に転換し、その効果はありましたが、それでも攻め続けた張本に勝利するにはいたりませんでした。張本はコース取りのわかりにくい両ハンドが大きな武器になっていました。
 優勝候補の木造(愛工大名電高)はダブルスのパートナーでもある松山(愛工大名電高)との同士打ちで、気合いも前面に出せずにお互いにやりにくかったと思いますが、手の内がわかっている者同士なので、自分をさらけ出して全力でのぶつかり合いとなり木造が上回りました。
 伊丹(野田学園高)のいいところは「後の先」といって、相手に攻めさせてから盛り返せる強さがあり、両ハンドの威力と安定感で出雲を破りました。
 緒方(JOCエリートアカデミー/帝京)はスケールの大きい卓球で高見(愛工大名電高)を包み込んでしまったというところでしょう。
 明日の準決勝では張本と緒方が対戦しますが、張本は自分のスタイルは崩さないでしょう。緒方が、張本のピッチの速いワイドな攻撃にどのように対応していくのかがみどころです。

<ジュニア女子準々決勝>
 浜本(JOCエリートアカデミー/大原学園)は、落ち着いて相手に息つく暇もなく両ハンドで攻め続けました。4回戦で野村(卓伸クラブ)との対戦では異質のボールに完全にスイングを狂わされましたが、最後まで攻め続けて勝ち、精神的な成長の跡を見せました。接戦となりましたが、卓球は人間対人間の試合なので、自分の調子が悪かったり、相手の調子がよかったり、相手に研究されたり、自分の研究不足だったりで、苦戦する場面は必ずありますし、我慢強さやあきらめない気持ちが大事になってきます。
 早田(石田卓球クラブ)は梅村(四天王寺高)に敗れましたが、どちらが勝ってもおかしくない試合でした。梅村はバック面に表ソフトラバーを使用していて、早田が梅村の飛距離のないボールに対して、一定の距離を取って応戦していました。しかし、終盤はフォア側に来た梅村の勢いを殺した返球に対して、1歩踏み込めずに打球点を落としてオーバーミスするという展開が多く、早田としてはその部分が悔やまれます。一方、梅村はそこをうまく突いていました。フォア側に強打していたら、早田の反撃を受けていたでしょうから、よい戦術でした。
 平野(JOCエリートアカデミー)は塩見(ミキハウスJSC)とほとんどバック対オールのような試合をしていたので驚きました。塩見のバックブロック対平野の両ハンドという展開です。平野は前陣両ハンドで高速ラリーをしたいタイプなので、塩見の表ソフトラバーのフォアハンドの球質は邪魔になると考えたのでしょう。平野は塩見のバック側にボールを集めて、あえてバック対オールの展開に持ち込み、それでも勝てると判断したのだと思います。強引とも言える戦術ですが、それだけの力がついてきている証しでもあるでしょう。
 橋本(四天王寺高)と皆川(昇陽中)は完全な持久戦になりました。橋本は打球点の高いカットでコースを突いて相手を動かし、それに対して皆川は丁寧に厳しいボールに対しては無理せずにツッツキでつなげるというプレーでした。橋本はツッツキボールに対しても攻撃できるので、攻撃選手の方がいつ打たれるかわからないという状態でプレーしなければならず、攻撃ミスを誘うこともできていました。
 準決勝の梅村対浜本は前陣高速ラリー戦になるでしょう。橋本対平野は持久戦覚悟で、お互いに圧勝しようとは思っていないと思います。苦しいラリーの中でいかに点をもぎ取れるかという戦いになるでしょう。


記録・タイムテーブル等の情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp

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全日本選手権大会の特集は卓球レポート3月号(2月20日発売号)に掲載します。