大会報道

全日本卓球2016 男子シングルス6回戦 〜元王者が全日本を語る「渋谷浩の眼」〜

2016.01.15

<全日本卓球選手権大会>

大会5日目を迎えた平成27年度全日本選手権大会(一般・ジュニアの部)。平成11年度全日本チャンピオンの渋谷浩がベスト8が決まった男子シングルス6回戦の戦いを振り返った。


 3連覇を狙う水谷(beacon.LAB)と町(明治大)の試合はスコアこそ4対1ですが、非常にいい試合でした。水谷は予想に反して前陣でのプレーが少なく、打ち合いになりました。町はフォアハンドの切れが良かったので、フォアハンド中心に攻めていきましたが、打ち合いの中で水谷が巧みなコース取りを見せて試合を優位に進めました。2年前の決勝で対戦したときは水谷が攻撃的でしたが、今回の対戦では安定感を優先してラリー志向でプレーしていたように見えました。それほど、リスクを負わずにプレーしていました。一方、町は敗れはしましたが出来は良かったと思います。しかし、要所で水谷が勝負どころを心得ていて、競った場面で町を引き離しました。


 吉村(愛知工業大)対森薗(明治大)の試合は吉村がカーブドライブやシュートドライブなど幅の広い卓球をしました。森薗としては攻めて得点することが求められましたが、吉村がワイドに厳しく攻めていて、森薗のフォア側を打ち抜く形になりました。接戦にはなりましたが、吉村は全体的にプレーに余裕が感じられ、 1点を取ることだけではなく、どのように11点を取るかということを考えてました。また、さまざまな技術の引き出しを終盤までとっておきながらプレーしていたように見えました。

 丹羽(明治大)対上田(協和発酵キリン)の一戦は丹羽が圧倒的なプレーを見せました。今大会の丹羽は非常に集中力が高く、安定した試合運びをしています。試合の中で大崩れすることもなく、常にリードを保つ展開で、優位にゲームを進めていると思います。上田との試合では要所での3球目攻撃の早さが光っていました。非常に強い思いを持って大会に臨んでいるように見えますね。

 森田(シチズン)とカット主戦型の村松(東京アート)の試合は森田の圧倒的なパワーが光りました。完全に村松のカットを打ち抜いたという感じでした。ラリーの展開としてはとにかく村松のミドルからバックのあたりに打球して、チャンスボールが来たら両サイドに打ち抜くという形でした。特に村松のフォア側をシュートドライブで豪快に打ち抜いていたプレーが印象的でした。村松としては森田のドライブ時のバックスイングが大きいため、打球コースが読みにくかったと思います。特にフルスイングされたときにはコースを予測するのが非常に難しかったと思います。森田はチームメートにカット主戦型の御内がいて、カット打ちに日ごろから慣れているため、今回の対戦ではそれが大きな強みになったと思います。

 酒井(明治大)対坪井(筑波大)の大学生同士による対戦は酒井の技術力の高さが光っていました。酒井は強引なプレーが目立つのですが、得点するときに見せるテクニックがすごいです。「それを打つのか」というようなボールをカウンターしたりしていました。坪井としては打ち合いに持っていきたかったと思いますが、トリッキーなボールに付いていけない場面がありました。酒井の出来が良かったです。

 激戦になった笠原(協和発酵キリン)対松下(明治大)の試合は両者ともに運動量が豊富で、肉体を消耗する戦いになりました。常に大きなラリーで見ているお客さんにとっても見応えのあるラリー戦が展開されていました。互いに譲りませんでしたが、最後は笠原がうまさを見せて勝利をつかみました。笠原は打ち合いの中で松下のフォア側を打ち抜いたり、緊迫した打撃戦でもボールやコースを選んで打球したりしていて、そういった点が勝利に結び付いたと思います。


記録・タイムテーブル等の情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp
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