大会報道

世界卓球2016クアラルンプール6日目 日本女子、北朝鮮との戦いを制して決勝進出!

2016.03.04

<世界卓球選手権大会>

世界卓球2016クアラルンプール(2月28日〜3月6日)6日目は男女決勝トーナメント準々決勝と女子決勝トーナメント準決勝の一部が行われる。19時30分(日本時間20時30分)からは女子決勝トーナメント準決勝、日本対朝鮮民主主義人民共和国戦が行われ、3時間におよぶ激闘を制した日本女子が前回大会に続く決勝進出を果たした。
 

日本が2大会連続の決勝進出!

攻守のバランスに優れたキム・ソンイが北朝鮮に先制点をもたらす

石川が嫌な流れを断ち切るプレーで1対1に

攻めの姿勢を貫いた福原。リ・ミギョンにリベンジを許さず

圧巻のプレーで逆転勝ちした伊藤が日本の勝利を決める


<女子決勝トーナメント準決勝>
 日本 3−1 朝鮮民主主義人民共和国
 伊藤 -4,-6,-7 キム・ソンイ○
○石川 6,8,5 リ・ミョンスン
○福原 5,6,-2,6 リ・ミギョン
○伊藤 -4,8,-18,7,8 リ・ミョンスン
 石川 ー リ・ミギョン

前回大会に続いて決勝進出を狙う日本は伊藤、石川を2点起用し、3番に福原という昨日のドイツ戦と同じオーダーで臨む。一方の朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は第1ステージ対戦時とオーダーを変更。リ・ミョンスン、キム・ソンイのカット主戦型2枚を2点起用するオーダーで日本に挑む。
1番は伊藤対キム・ソンイの対戦。予選でも対戦した両者。そのときは伊藤が勝利を収めている。
前の対戦に続いて勝利を収めたい伊藤だったが、観客席に集まる北朝鮮応援団の応援を背にキム・ソンイが第1ゲームから攻勢に出る。伊藤の攻撃を鉄壁のカットでしのぐだけではなく、隙があれば前に出て攻撃を仕掛ける形で得点を奪い、キム・ソンイが先制。

嫌な流れを変えたい伊藤だが、第2ゲームもキム・ソンイの勢いを止められず。攻撃の機会を常にうかがっているキム・ソンイに対して、伊藤はカット打ちに焦りが出てしまい6-11で2ゲームを立て続けに失った。
第3ゲームはリードする場面も見られたが、キム・ソンイを崩すには及ばず0対3で敗戦。シンガポールとの一戦から調子の良さを見せたキム・ソンイは最後まで攻守に切れのある動きを見せた。

苦しいスタートとなった日本は2番で石川が登場。予選でも対戦したリ・ミョンスンとの一戦は石川が序盤からドライブの連打でリ・ミョンスンのカットを打ち抜いて先制。幸先良く1ゲームを奪った。
第2ゲームはロングサービスを混ぜるなど、なんとかして石川を崩そうとするリ・ミョンスンに対して、落ち着いて対応。中盤には長いラリー戦を粘り強いカット打ちで制するなど、緊迫した展開をものにして11-8で第2ゲームも奪った。
第3ゲーム、石川はドライブに緩急をつけてリ・ミョンスンを前後に揺さぶり得点を重ねて11-5で勝利。連戦で疲れも見える相手エースに対して終始、自分のペースで試合を進め、対戦成績を1対1にした。
3番は福原対リ・ミギョンの対戦。昨日のドイツ戦で攻めの姿勢を見せて勝利した福原はこの大一番でも攻撃的なプレーが光り、相手をリード。第1ゲームは5連続得点を奪うなど、相手に息つく間も与えずに攻め立てて、第1ゲームを先制した。
第2ゲームはサービスからの展開でチャンスをつくり出した福原。決定打を次々と打ち込み、ゲームを連取し、勝利に王手をかけた。
ゲームを決めたい福原だったが、第3ゲームはリ・ミギョンが福原のフォア側を打ち抜くドライブでゲームを優位に進めた。福原はこれに対応することができず1ゲームを落とす。
流れを引き戻したい福原は第4ゲーム序盤、バック対バックの打ち合いを制すなど4-1と点差を広げた。その後も3球目フォアハンドライブ、サービスでの得点と相手を最後まで揺さぶり、3対1で勝利。日本が決勝進出に王手をかけた。
4番は伊藤対リ・ミョンスンの対戦。第1ゲームは伊藤がリ・ミョンスンの変化をつけたフォアカットに苦しむなど、ミスが目立って4-11で落とした。
第2ゲームは伊藤が5-6とリードをされた場面で日本がタイムアウト。ここから伊藤は4連続ポイントを挙げて逆転。前後左右、卓球台を広く使ったプレーでリ・ミョンスンを揺さぶってゲームを奪い返した。
1対1となって迎えた第3ゲームは気力と気力がぶつかり合う死闘が繰り広げられた。伊藤が9-10とゲームポイントを握られたところから追いつくと、その後は互いに譲らずジュースが続いた。このゲームを是が非でも取りたい両者は互いに意地を見せたが、リ・ミョンスンが20-18でゲームを奪取。
追い込まれた伊藤だが、第4ゲームはフォア前へのサービスからリ・ミョンスンのレシーブが浮いたところをスマッシュで叩くなど、リードを広げる。要所では相手のミドルを的確に突き、ゲームを優位に進めてゲームを奪い返した。
最終ゲームは伊藤が強打を決めれば、リ・ミョンスンが驚異的な粘りを見せるなど、両者ともに体力・精神力・技術力を結集させたプレーできっ抗した展開が続く。中盤まで一歩も引かないシーソーゲームとなったが、伊藤は6-7のビハインドからバッククロスからのフォアハンドドライブを決めると、サービスでリ・ミョンスンのレシーブミスを誘って逆転。4連続得点でマッチポイントを迎えると、そのままリ・ミョンスンを押し切り、3時間に及ぶ死闘に決着をつけ、日本の2大会連続の決勝進出を決めた。
劣勢に立たされても動じず15歳という年齢を感じさせない落ち着きで勝利をもぎ取った伊藤。試合後はその重圧から解放された安堵からか涙をこぼした。日本を背負って戦いながらも勝利をつかみとり、見事チームを決勝へと導いた。

■村上監督のコメント
相手のオーダーを考え、3対0で勝てるオーダーを組みました。後半に回ったら、4番は伊藤が厳しい思っていたので3対0で勝つか3対2で勝つと予想していました。福原とリ・ミギョンを当てるのに苦労しました。1番で負けながらもよく勝てたと思います。相手のトップのキム・ソンイはカットのコースを伊藤にとって嫌なコースに集めていました。相手が敗戦を生かしてきた試合でした。(4番の)伊藤は3ゲーム目で18-20で落としてその次のゲームを取りましたが。そのような選手はこれまで見たことがありません。リ・ミョンスンは疲労があり、伊藤が4番で勝てたのはその疲労の影響も多少はあったと思います。伊藤はリ・ミョンスンとは初めての対戦でなかなか勝つことが難しい相手ですが、勝つことができて自信になったのではないかと思います。第3ゲームを落とした直後は、気落ちして第4ゲームの出足でずるずると離されてしまうことが多いので、「序盤に集中しよう」という言葉をかけました。今回は予選の朝鮮民主主義人民共和国が一番の敵だと思っていたので、2連勝できてすごく自信になりました。

■石川選手のコメント
世界選手権の準決勝なので簡単に勝てるとは思っていませんでした。自分が勝てば流れが変わるし、3番の福原さんも勝ってくれると思ったので自信を持って戦いました。(リ・ミョンスンは)予選リーグで戦っていて、変化もわかっていたので最初から飛ばしていこうと思いました。出足にしっかり相手のカットをつかめればいけると思ったので自信を持って最初から最後までできました。予選リーグよりも良いプレーができて相手の攻撃も防ぐことができました。今大会は厳しいドローでしたが、その中で決勝に来れたのはうれしいです。相手は決まっていませんが、決勝で良いプレーをするために準備をしてきたので楽しみなところはあります。一戦一戦チーム力も上がっていると思うので、後はもうぶつかっていくだけだと思います。

■福原選手のコメント
予選リーグのときよりも相手が思い切ってきましたし、私のボールに慣れていると感じましたが、しっかりと対策を練って臨めむことができました。1対1で回ってきて緊張しましたが勝つことができて良かったです。3番は昨日も話した通りすごく大事なポジションで、3番に起用されたら絶対に1点を取らなければいけないという強い思いで臨みました。私たちの目標は最初から予選リーグを1位で通過して決勝に進むということだったので、最低限の目標をクリアできてうれしいです。明日の決勝は勝ちにいきたいです。私にとっては初めての決勝ですが、チーム一丸となって連れてきてもらった決勝だと思うので最後までチーム一丸となってがんばりたいと思います。

■伊藤選手のコメント
試合後はほっとしました。こんなに苦しい試合はなかったので、1試合目は自分の調子の悪さにびっくりしてしまいました。4番は初めての対戦だったので思い切っていくしかないという気持ちで戦いました。リ・ミョンスン選手はフォアカットがいやらしかったのですが、2ゲーム目の中盤からは逆にそれを狙うという戦術でいきました。予選リーグと違い、卓球台にも慣れてきていて、ドライブを打っても返球されたので、今日の試合はドライブで変化をつくってチャンスをつくり、スマッシュで決めるという形が今日の自分にできることだと思っていました。ミスをしてもスマッシュで決めるところは決めるという思いでプレーしました。(第3ゲームは)とりたかった気持ちはありましたが、どっちかが勝ってどっちかが負けるのが試合なので、しょうがないかなと思いました。内容は良かったので次に生かせるだろうと、吹っ切れて次のゲームに臨めたので良かったです。(最終ゲームは)競ってきたらお互いに緊張でかたくなるので、そこではミスをせずにいくところはしっかり決めにいくというのを心がけて、最後は相手も力んでいてミスが出ていました。初の世界卓球で決勝にいけたのはうれしいです。決勝は誰と対戦するかはわかりませんが思い切って自分のプレーができるようにしたいです。

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今大会の模様は卓球レポート4月号(3月20日発売)に掲載

公益財団法人日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
世界卓球2016クアラルンプール/公式サイト(英語):http://www.perfectwttc2016.com.my/
国際卓球連盟(ITTF)世界卓球2016クアラルンプール(英語):
http://www.ittf.com/competitions/competitions2.asp?Competition_ID=2587&category=WTTC